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専門家 スキンケア

疲労と睡眠の医学博士が教える。肌のたるみの原因は脳疲労だった!

ユンブル

残業で遅くまでデスクワークが続く、明け方まで遊んでいた、飛行機に長時間乗ったときなどに鏡を見ると、まぶたが腫れて口元の筋肉がだらんと下がっているように見えます。「睡眠不足や疲労がつのると、皮ふの細胞がダメージを受けて、シワやたるみができる、また代謝が衰えるので、肌荒れを起こします。老け顔になりますね」と話すのは、大阪市立大学医学部特任教授で東京疲労・睡眠クリニック(東京都港区)の梶本修身(かじもと・おさみ)院長。詳しいお話をお尋ねしました。

■疲労は肌のアンチエイジングの大敵

―深夜まで仕事をしていると、目が小さくなります。眠気はないのですが、睡眠不足が原因でしょうか。

梶本医師 睡眠不足はもちろん影響しますが、仕事による疲労が蓄積していることも大きな要因でしょう。

深夜まで仕事をしていて眠気がないのは、「自律神経」の1つで活動時に働く「交感神経」が優位に働いているからです。

自律神経は、意思とは関係なく、体を健康に保つように、心臓の拍動や血圧、体温、汗、胃や腸、腎臓など内臓の動きを24時間調節しています。交感神経と「副交感神経」の2つがあります。

アクティブでいるときや昼間には交感神経が働いて心拍数や血圧、体温を上げ、リラックスしているときや夜間には副交感神経が優位になって、心拍数や血圧、体温を下げます。

こうして体のリズムを自然に保っているのですが、夜遅くまで仕事や遊びで活発にしていたり、長時間のフライトで時差を体感すると、交感神経のほうが働き続けることになります。

本来、休息モードの副交感神経が働くべきときに活動モードの交感神経が優位になると、2つの神経はバランスを崩し、自律神経の中枢(ちゅうすう)がある脳の神経細胞に負荷がかかります。こうして脳が疲労します。

―脳が疲れると、肌にも影響が表れるということでしょうか。

梶本医師 脳疲労が原因で、体のさまざまな器官に不調が起こります。残業が長引くと、目疲れを感じる、頭が重くなる、肩がこる、集中できないなどの症状が表れるでしょう。同時に、皮ふの弾力は低下して、シワやたるみのもとになります。これらは、「脳疲労のサイン」です。

顔の状態は鏡を見ると目に飛び込んでくるので、疲労の度合いが特に目につきやすいでしょう。

―脳が疲れると、いろいろな部位にダメージが出て、肌の状態もその一つだ、ということですが、肌では何が起こっているのでしょうか。

梶本医師 「活性酸素」という言葉を耳にされたことがあると思います。呼吸で取り入れた酸素のごく一部が、体内で活性酸素に変化します。活性酸素は、ウイルスや細菌から体を守る役割がありますが、疲労やストレスがたまるとそれに対抗しようとして、たくさん発生するようになります。

活性酸素は強力な「酸化作用」を持っています。過剰に生み出されると、細胞に酸化ストレスを与えて傷つけ、「さび」させることになります。

また、活性酸素は、紫外線を浴びる、喫煙することでも体内で大量に発生します。顔は露出しているために紫外線を浴びやすく、常に酸化ストレスにさらされているため、体のほかの部位より細胞のさびが早く進みます。

さらに、熟睡時には脳から「成長ホルモン」が分泌されて細胞の新陳代謝を促すのですが、睡眠不足だとこのホルモンの分泌量が低下し、代謝の力が衰えます。

皮ふの場合、酸化ストレスにさらされる、代謝や再生が追いつかなくなると、ツヤが衰え、シミやシワ、たるみとなって表れます。こうして皮ふは「老化」していきます。

―皮ふの細胞の酸化を、少しでも避けるにはどうすればいいのでしょうか。

梶本医師 顔に限らず、全身のアンチエイジングに言えることですが、最善の方法は、脳の疲労をためないようにすることです。顔に特定して考えても、化粧品によるシワやシミ対策にさして意味はなく、まずは疲労やストレスを軽減することが重要です。

脳疲労の回復のためには、自律神経のバランスを乱す行動をとらないようにすることです。現代の生活でそれが難しいこともわかりますが、まずは睡眠の時間と質は十分かを見直しましょう。そして、顔のたるみをはじめとする脳疲労のサインに気付いたら、早めに休息することがアンチエイジングの一歩と言えるでしょう。

■まとめ

まぶたの腫れも口元のたるみも、脳疲労が原因だったとは……。指摘を受けて生活シーンを振り返ると、思い当たることばかりです。たしかに、顔に目が行きがちですが、実は全身の皮ふが衰えていることも自覚するべきでしょう。アンチエイジングには、まずは自律神経のバランスを整えること。いますぐ実践したいと思います。

(品川緑/ユンブル)

取材協力・監修:梶本修身氏。大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授。東京疲労・睡眠クリニック院長。医学博士。国家プロジェクトとして疲労対策の研究を続ける。著書に『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)、『「体の疲れ」が消える本』(成美文庫)ほか。『林修の今でしょ講座』『たけしの家庭の医学』(テレビ朝日)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)ほかメディアに多数出演、睡眠と疲労に関する新常識の提案、分かりやすい解説で知られる。

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