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第22話 「行く!」

「でも……そうなのよね」
わたしも28歳。友だちの菜々子の言う通り、
後のない恋愛をできる歳じゃない。

それに不倫相手の「結婚しよう」を信じるなんて、
古いドラマの、ダメな女そのものだ。
そう。もう孝太郎と別れないと。
別れても、特に何も起こらないけど、
でも、別れなければ新しい明日はこない。

わたしは「おみずー」と言って駆けてきた姪に、
水筒から水を飲ませながら
「先を考えないとね」と心の中で苦笑いした。

そうしてバックに水筒をしまう時、
スマートフォンにLINEの着信を見る。
孝太郎からだ。

「明日、もしヒマなら上野の美術館いかない?
いい特別展示、やってるんだ」

ゴクリ、とつばを飲み込んだ次の瞬間、
わたしは反射的に文字を打ち込み送信していた。
「行く! 何時集合がいい?」

もう彼と会うことしか、考えられなかった。

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