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専門家 不調

丸めたガムを舌の上に置く!? 歯科医が教える、自分で口臭を予防する方法とは?

ユンブル

人と話すとき、相手のふとしたしぐさで「自分の口臭が強いのかも?」と、気になることがありませんか。口臭外来の治療を行う江上歯科(大阪市北区)の江上一郎院長は、「口臭の原因は複雑ですが、若い女性の場合、多くは、『ストレスや緊張によるだ液の減少』が原因だと考えられます」と話します。だ液と口臭が関係するとは!? 詳しいお話を聞きました。

■だ液には殺菌作用や自浄作用がある

―だ液が減ると、どうして口臭が強くなるのでしょうか。

江上医師 口臭は、医学的に、誰もが日常生活において起こりうる「生理的口臭」と、むし歯や歯周病など口の中の病気が原因で起こる「病的口臭」の2つに分類されます。

多くのケースは前者の生理的口臭です。朝起きたときや空腹時に、いつもより口臭がするなと感じることがあるでしょう。それは、だ液の分泌量が低下しているからです。

だ液には、口の中の細菌の活動を抑える「殺菌作用」や「自浄作用」があり、また、水以外のものが入ってきて、口の中が酸性やアルカリ性に傾いたときには「中和作用」が働きます。

ストレスや緊張があると、自律神経の働きでだ液の量が減りますが、そうすると必然的にこれらの作用が低下するので、細菌の活動が活発になってにおいを引き起こします。

―口の中の細菌がにおいを作り出しているということでしょうか。

江上医師 そうです。細菌が、舌や歯ぐきの粘膜に付着している食べかすに含まれるタンパク質を分解するときにガスが出て、口臭となります。

口の中では常に細菌が活動しているので、無臭の状態を維持することはできません。口臭が問題になるのは、本人か、あるいは第三者が不快と感じるかどうかによります。周囲は気にしていなくても、本人が「におうのでは!?」と思いこんでいる場合も多くあります。

自分は口臭が強いと感じた場合はまず、「不快臭かどうか」を考えてみましょう。

■口臭のリスクをセルフチェック

ここで江上医師に、「不快感を与える口臭が起こりやすいかどうか」をチェックするために、次の15の項目を挙げてもらいました。

(1)起床後や寝る前に歯を磨かない
(2)食後に、泡立つ歯磨き剤をつけて歯を磨く
(3)舌磨きを毎日行っている
(4)歯に食べ物がよくはさまる
(5)ネバネバした白っぽいだ液が出ることが多い
(6)歯を磨くと、歯ぐきから血や膿(うみ)が出ることがある
(7)治療していないむし歯がある
(8)蓄のう症、慢性鼻炎、花粉症など、慢性の耳鼻咽喉科の疾患がある
(9)膿栓(のうせん・悪臭を放つ、乳白色のかたまり)がよく出る
(10)口の中がよく渇く
(11)水をほとんど飲まず、濃いお茶やコーヒー、清涼飲料水などをよく飲んでいる
(12)乳製品や辛い刺激物をよく食べる
(13)タバコを吸っている
(14)睡眠不足が続いている
(15)ストレスがたまっている

―いくつあてはまると、どういう結果になるのでしょうか。

江上医師 3つ以上当てはまる場合は、においが気になりやすいでしょう。15の項目は、いずれも不快臭が起こりやすいことがらです。気になる場合は、これらをひとつずつ、自分の生活習慣に当てはまるかどうかを検証してください。

―口臭を自分で防ぐ方法はありますか。

江上医師 ポイントは、だ液の分泌を促すことです。

まず、だ液の分泌量がもっとも減るのは睡眠中です。夜中に目が覚めると、口の中がネバネバした感じがあるでしょう。あれはだ液が減って細菌が増えている状態です。

ですから、口臭のもとになる細菌の増殖を防ぐために「寝る前」と、口のネバネバを洗い流すために「起床直後」に歯磨きをすることが口臭ケアとして有効です。

(2)の食後は、だ液がもっとも豊富に分泌されているときです。ここで合成界面活性剤入りの泡立つ歯磨き剤をつけてごしごし磨くと、だ液まで洗い流して逆効果になります。歯に食べかすがはさまった場合は、つまようじや歯間ブラシで取り除いてください。

また、口の中が健康なときは、サラサラで透明なだ液が分泌されています。一方、分泌量が減ったときに出る、(5)の白く濁った粘り気のあるだ液はにおいの一因になります。

■かんで丸めたガムを舌の上に置く

―サラサラのだ液を増やす方法を教えてください。

江上医師 口の中にネバネバ感を覚えたら、水を含んでグジュグジュとうがいをして、ゴクンとのどを洗うように飲み込みましょう。舌はのどの奥までつながっていますから、飲み込むことで、口の中のベタつきと息が出てくるところを洗い流し、口とのどの奥の乾燥を防ぐことができます。

抵抗があると言う人は多いのですが、水を吐き出すと、口の前方しか洗っていないことになります。自分の口の中のものですから、汚いことはありません。

また、つねに水を飲むように心がけましょう。コーヒーや緑茶は利尿作用があってだ液にはなりにくいので食後の一服程度にしておき、だ液を出すためには、水を飲むことが重要です。

さらに、口の中は、異物があると条件反射でだ液が出るようになっています。ガムをかみ、味がしなくなっても5分以上かみ続けてください。その後、丸めたガムを、舌の上や歯と歯ぐきの間に置いておくとだ液が出てきます。

―水やガムが手元にない場合の対処法はありますか。

江上医師 舌先で、歯ぐきや歯ぐきの裏側を上下左右になぞって、舌を動かしましょう。すると、だ液腺が刺激されてサラサラのだ液がたまります。それを飲み込むと口臭予防になります。

その後、口を少し開けて数回呼吸をして口の中と外の空気を入れ替えると、においが和らぐでしょう。

■まとめ

口臭予防のポイントはサラサラのだ液にあり、いかに分泌量を増やすかが鍵だということです。水でうがいをして飲み込む、ガムをかんで舌の上に置く、舌先を動かす……。ぜひお試しください。

(岩田なつき/ユンブル)

取材協力・監修:江上一郎氏。歯学博士。専門は口腔(こうくう)衛生。歯科・歯科口腔外科・口臭治療の江上歯科院長。
江上歯科:大阪市北区中津3-6-6
http://www.egami.ne.jp/

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