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専門家 不調

臨床内科専門医に聞く。熱中症の危険度の見分け方とは?

ユンブル

ジメジメと蒸し暑い日に屋外で長時間過ごすと、体がだる重く、頭がぼーっとして「熱中症かも!?」と不安になることはありませんか。臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長は、「熱中症とは、高温多湿な環境に体が適応できなくて出るさまざまな症状の総称です。老若男女問わずに起こりえます」と話します。詳しく聞いてみました。

■熱が体内にたまり、体温調節が不可能になって熱中症に

熱中症を起こすとき、体はどう変化しているのでしょうか。正木医師はこう説明します。

「ヒトの体は、体温が上がった場合には熱を外へ逃がすように、無意識のうちに自律神経が働いて体温調節が行われています。

ですが、気温が高い、湿度が高い、風が弱いなど体温が上昇しやすい環境のときに、汗が出ない、皮ふから発する熱が少ないようになると、体温を調節できずに急速に上昇します。すると、熱を体外に放出することができなくなり、体に熱がこもって熱中症にいたります」

熱中症は、気温や湿度が高い日になるとは限らないそうですが、本当でしょうか。

「暑い日に屋外で過ごすと発症しやすいのですが、まだ体が暑さや湿気に慣れない春先や梅雨どき、高温多湿の室内で過ごしているときにも起こります。

熱中症は重症化すると命の危険もあるので、予防がもっとも重要ですが、もし何らかの症状が出た場合はいち早く対処する必要があります」と正木医師。

■初期のサインは、めまい、生あくび、大量の汗、筋肉痛

次に、熱中症のサインについて、具体的な事例を正木医師に教えてもらいましょう。

「2015年に日本救急医学会から、熱中症の診療に関する世界で初めての指針となる『熱中症診療ガイドライン』が発表されました。主な症状によって、『現場で応急処置と見守りをするⅠ度』、『すぐに医療機関へ受診するⅡ度』、『すぐに救急搬送して入院が必要なⅢ度』の3段階に分けられています」

それぞれの症状について、正木医師は次のように説明します。

<Ⅰ度……現場で応急処置と見守りをする>

主な症状:めまい、たちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむらがえり、など。

<Ⅱ度……すぐに医療機関へ受診する>

主な症状:頭痛、おう吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下、など。

<Ⅲ度……すぐに救急搬送して入院が必要>

主な症状:呼びかけに反応しない、水分補給ができない、など。

 さらに正木医師は、自分で気付いて対処できる状況とその方法について、次のようにアドバイスをします。

「Ⅰ度の軽度のときに、すぐにケアすることが重要です。

Ⅰ度のときは、体温を下げようと皮ふの毛細血管が拡張し、血圧が低下して脳の血流が減少するため、めまいやふらつきを覚えます。また、大量に汗をかいているときに水だけを補給すると、血液中のナトリウム濃度が低下して筋肉痛やけいれんが起こります。

Ⅰ度の症状が出たときは、すぐに、水分と塩分を適度に含んだ市販の経口補水液を飲んでください。同時に、風通しのよい日陰やクーラーの効いている室内などの涼しい場所に移動し、衣服をゆるめて安静にしましょう。

また、冷たいタオルやアイスパックで首すじ、わきの下、太ももの付け根などの大きい血管が通る部位を冷やし、体温を下げるようにしてください。

ただし、熱中症が本当に怖いのは、一気にⅡ度以上になることです。その場合は、周囲の人に助けを求めるようにしましょう」

■まとめ

めまいやたちくらみ、大量の汗、筋肉痛などは熱中症の初期症状であり、重症化する前に、水分、塩分補給と体を冷やす必要があるということです。ぜひ覚えておきたいものです。

(岩田なつき/ユンブル)

取材協力・監修:正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。
正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9
http://masaki-clinic.net/wp/

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