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第17話 彼のピンチ

「キミ、ボクの質問にちゃんと答えてっ!」
わたしは振り返らず、
体を90度横にして、視線だけを向けて、
孝太郎の様子を伺った。

見ると過去わたしたちがプロジェクトを組み、
構築した中国通販サイトのクライアントが、
きびしい顔をして孝太郎に叱責していた。

うわあ、あの人、中国から来てたんだ。
まるで突然降り出すゲリラ豪雨のように、
いつも唐突に機嫌が変わるクライアントで、
わたしは何度も、あの人に泣かされた。

聞いていないフリで聞き耳を立ててみると、
どうも来期の売り上げ予測が気に入らないとか。
そんな話、会社の20周年パーティの場で、
持ち出して怒鳴らなくてもいいのに……。

「それ、どういうことっ!」
孝太郎は冷静に受け答えをしているが、
クライアントの大きな声は、
わたしの心にグサグサと刺さった。

できるなら、わたしが変わりたい。
でも今、彼にできることは何もなかった。

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