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専門家 カップル

【彼の不可解な行動12】その見栄っ張りが理解できない! 男性が後輩におごりたがるのはなぜ?

ぐっどうぃる博士

男性と女性では脳に違いがあるために、考え方や行動が異なるとよく言われています。理解不能な彼氏の行動や、好きな男性の態度は、単なる脳の違いによるものなのか、それとも何か隠された事情があるのか? そんなわけで、オトコが本当に考えていることを知るため、おひとり様代表・朝井麻由美さんが恋愛カウンセラーのぐっどうぃる博士に疑問をぶつけます!

今回の相談者:29歳 派遣社員 彼氏なし

男同士の見栄っ張りが理解できません。明らかに自分より収入ある後輩にもおごったりしています。どういうことでしょう?

朝井麻由美(以下朝井):自分より収入のある後輩にも見栄を張っておごる……。確かにやたらとおごる男性っていますよね。

ぐっどうぃる博士(以下博士):おごっている相手が後輩なら、見栄を張っているわけではないかもしれません。

朝井:どういうことでしょう?

■「伝統」って彼女の気持ちよりも大事?

博士:例えば、おごった相手が高校時代のサッカー部の後輩だったとします。そうだとすると、そのサッカー部では伝統的に先輩が後輩におごる決まりになっているかもしれません。もし彼が伝統を守っているだけなら見栄ではないでしょう。その場合この彼も彼の先輩にはおごってもらうのだと思います。

朝井:伝統ですか。伝統ってそんなに守らなきゃいけないようなものなのでしょうか。

博士:伝統を破るのは、例えそれが悪しきものでも容易いものではないでしょう。会社組織で起こりがちな問題の一つにも伝統や文化があります。例を挙げると、会社に外からチームリーダーとしてやってきて、その会社の悪しき伝統に気づく人は多いでしょう。そのようなチームリーダーがよくする失敗は、就任直後からその伝統を変えようとすることです。その結果、部下全員から反発され、組織が全く動かなくなったという人を何人も知っています。彼らに対する僕の助言は、すぐに伝統を変えようとはせず、まずはその会社の伝統に従い、伝統に親しみ、その上で会社に貢献する人物だと認識されてから、部下たちの価値観に沿う形で伝統を変えていくべきだということです。

朝井:伝統って、面倒くさいですね。

博士:また、10年ほど前、ある友人が次のような話をしていました。彼が勤めていたところでは、職場の男性が誘い合って風俗のお店に行くことが伝統になっていました。当時、僕の友人はそれを嫌がっていたのですが、職場の先輩たちが「風俗に行かないのは男じゃない」「奥さんの言いなりかよ」などと言って、半ば強引に誘うのです。彼はしぶしぶ先輩たちと風俗に行くことにしました。でもそのおかげで先輩と仲良くなれ、仕事もスムーズにいったとか。

朝井:えええ~~~! 嫌すぎる! 妻からしたらいい迷惑ですねそれは! そんなくだらない理由で風俗なんかに行ってほしくないです。私だったら正直それだけでも離婚を考えますね! 妻の気持ちよりも、「伝統」を大事にするような夫なわけですから。信じられない!
職場で仕事などのすべきことをして、あとは自分のしたいようにはできないのでしょうか?

博士:僕が高校生の時、ある運動部の男子がタバコを吸っていることが見つかって、一人を除いて全員が停学処分になったことがあります。タバコを吸っていなかった一人は、僕の友だちだったのですが変わり者で、僕たちとカラオケに行っても一人歌わずに漫画を読んでいるような人でした。彼には「鉄の意志」というあだ名がついていました。

朝井:集団の同調圧力って本当にくだらないし、この世からなくなってほしいです。

博士:話がどんどん外れてしまうので、詳しくは言いませんが、集団の同調圧は、社会を正常に機能させる上で、それなりに重要な意味があると思います。

朝井:まあ、言えることは、伝統や文化など、その集団が良しとしていることを破るのは、鉄の意志などと言われてしまう変わった人じゃないと難しいってことですね。

博士:そういうことも多いと思います。学校での付き合い、会社での付き合い、近所付き合い、親戚付き合いなど、我々はいろいろな文化に付き合わされます。その中で衝突を少なくしていくには、正義とか理屈などは考えず、その伝統や文化に従ったほうが楽でしょう。

最近はそういう風潮は減ってきたかもしれませんが、相変わらず、そのような文化や伝統はあり、少なくないプレッシャーを人に与え続けていると思います。会社によっては、社員の誕生日が来るたびに誕生会を催したり、何かに理由をつけて頻繁に飲み会をするところもあるでしょう。そのような催し物や飲み会に行きたくないけど行っている会社員は少なくないでしょうね。話を戻して、この男性が後輩におごるのは、そのような伝統や文化に従っているだけかもしれません。

■男性の行動を先入観で判断しないほうがいい

朝井:ただ、この相談の方は、「見栄を張っている」と書いています。伝統とかは関係なく、本当にただ見栄っ張りだということはないですか?

博士:その場合でも見栄じゃないかもしれません。たとえば、彼が体育会系の部活出身なら、「先輩」という役割は、常に後輩をリードし相談にのり説教をしおごってやるというような意味を持っていて、彼自身も先輩にそうされてきたので、そうしているというような。

朝井:「先輩は、こうあるべきだ」みたいな常識を持っているということですか?

博士:そうです。関東のエスカレーターでは、歩かない人が左側により、歩く人が右側から追い抜いていくような常識です。右側で立ち止まっている人がいたら、イライラするというような感じ。また、ご飯を左に置いて、みそしる汁を右に置くようなもので、ご飯が右に置かれていると、どうしても気持ち悪くて直しますよね。

朝井:相談の女性は見栄だと感じていても、本人にとっては見栄なわけじゃないってことですね?

博士:ええ。相談者の女性は「見栄を張っている」とおっしゃっていますが、僕は誰かに相談された時、どうしてもその前提条件から疑いたくなります。そこを間違えると問題の解決ができなくなりますし、人間関係ならより悪化してしまう原因になるからです。

TEDカンファレンスにおいて、行動経済学者ダン・アリエリーの「我々は本当に自分で決めているのか?」という発表は興味深いです。

この発表の中で、ダン・アリエリーはヨーロッパにおける国ごとの臓器提供の意思表示の割合について語っていました。引用された論文によれば、ドイツ、オランダ、イギリスでは国民の大多数が臓器提供をしたがりません。一方オーストリア、スウェーデン、フランスは、国民のほとんどが臓器提供の意思表示をしています。国によってここまで臓器提供の意思表示が違う。この違いはなんだと思いますか?

朝井:うーん。文化的な特徴の違い? 宗教的な背景とか? ……わかりません。なんでしょう?

博士:この報告を聞いた人は、国民性の違いなのか、教育の影響なのか、宗教や社会環境の違いなのかと考えるようです。でもオーストリアとドイツなんて文化的にも似ていそうですよね。実際に、それらは全く関係ありません。

これは、実は臓器提供の意思表示をしてもらう用紙の質問に違いがあるのです。臓器提供をしたがらない国の用紙には、「臓器提供をするときにチェックボックスをチェックする」、つまり、何もしなければ臓器提供はしないことになります。一方で臓器提供を進んでする国は、臓器提供をしない時にチェックボックスをチェックするという具合です。

朝井:ああ、なるほど。だから「我々は本当に自分で決めているのか?」というタイトルなんですね。

博士:しかも、思い込みからくる誤解は、一般の人だけでなく専門家も数多くしています。メディアにおける、専門家の意見を決して鵜呑みにしないことです。

朝井:……なんだか思わぬ方向に話が進んでいますね。

博士:あともうひとつ、僕の昔からの男友だちの話ですが、彼は彼に好意のある女性から見るとこんなふうに見えます。

彼とデートをしている時、彼はある時は私を道路側に歩かせ、ある時は私を歩行者側に歩かせる。また彼は会社の大人数の飲み会で、私と離れたテーブルの端に座ります。また彼は、私との約束を覚えていないことがしばしばあります。
こういう彼はどういう人だと思いますか?

朝井:マイペースな男性ですかね? あるいはこの女性にあまり興味のない男性。

博士:実はどれも違っていて、彼は右耳が聞こえにくいのです。だから聞こえない右側に人が立つのを嫌うのです。テーブルでも自分の右に人が座らない端に座ります。耳が遠いので聞き逃すことも多い。でも彼は女性には恥ずかしくてそのことを言わないのだそうです。

朝井:それは誤解されるでしょうね。

博士:僕の知り合いが、「日本人が電車で妊婦に席を譲らない」というブログ記事を引用して、「その国民性を教えてほしい」と聞いてきたことがあります。

朝井:今回の相談と似た感じですね。すでに席を譲らないことが国民性によるものだと決めつけています。

博士:そう。僕はそもそも統計的に日本人は本当にほかの国に比べて電車で妊婦に席を譲らないのかから疑ってしまいます。それが正しいとしても「本当にそれは国民性なのか」と疑ってしまう。

朝井:臓器提供のフォーマットの違いのようなことが起きているかもしれないということですか?

博士:そう。比較している国の「平均的な電車の乗車時間の違い」「電車の混み具合の違い」「その国の電車に優先席はあるのかなど、電車の座席のデザインの違い」「電車でどれくらいの人が目を閉じているのか」「国民のどういう層が電車を利用しているか」とか「妊婦が電車に乗る頻度や時間帯の違い」など、いろいろ知りたくなる。

朝井:博士の姿勢はわかりました。たしかにここまで聞いていると、本当にこの男性が見栄で後輩におごったのか、わからなくなってきました。結論は、人がしている行動で、その人に勝手な理由付けをするべきではないということでしょうか?

■きちんと観察をすると、相手のことを正確に知ることができる

博士:そうです。ただ、彼のおごるという行動が、見栄かどうなのかがまったくわからないかと言えばそうでもありません。

朝井:どういうことですか?

博士:もし、彼が男同士見栄をはる人なら、自分がしている普通の仕事を「すごい仕事だ」と大げさにいうかもしれません。芸能人と知り合いだと自慢するかもしれません。収入に見合わない高い車に乗っているかもしれないし、住んでいる賃貸が安い物件なら、それを隠そうとするかもしれません。

見栄を張るというのは、自分を本当の自分以上に良く見せるということですよね? その他にもそういう行動がたくさんあるなら、後輩におごっているのも見栄の可能性が高くなります。

朝井:一つの行動だけじゃなくて、他の彼の言動と合わせて総合的に判断するということですね。

博士:たとえば彼が、そのような見栄を張るような言動はないけど、出張先で必ずご当地の美味しいものを食べたり、ちょっとでも喉が乾くと自動販売機でジュースを買ったり。ホテルに泊まれば、気軽にマッサージを頼むみたいな人なら、お金に執着心のない浪費家で、いい気分を味わうために気軽に後輩におごるのかもしれません。

朝井:なるほど。

博士:そのように、きちんと観察をすると、相手が正確に見えてきて、誤解が減り、それが駆け引きなら相手を思い通りにしやすくなります。ですので、僕が恋愛相談にのるときにまずする作業が相手を正確に知ることなのです。

朝井:正確に知るって、恋愛相談においてはけっこう難しいことですよね。恋愛では、男性も女性を思い通りにするため、騙すなんてこともありますし。

博士:そうなんです。男性が、その女性を落とすため、等身大以上の自分を見せたり、結婚する気もないのに結婚したいと言ったりする。だから、より相手を見誤りやすい。前提条件を間違えると、相手の思い通りにされて苦しんだりもします。

朝井:この相談の男性も、後輩におごっているところを女性に見せて、いいかっこうをしているかもしれませんしね。

博士:おごるって行動は、手軽にできる「いいかっこう」でもあります。

朝井:でも、もしそうだとすると、彼女に見栄って見抜かれたら意味がないですね。

博士:それ、面白いです。恋愛の一つの本質かもしれません。
僕の友だちに、成婚率49%という、凄まじく高い成婚率を誇る婚活女性アドバイザーがいるのですが、彼女は男女を結婚させるために、男性会員も女性会員も騙すのだそうです。

朝井:どういうことですか?

博士:たとえば、男性からの女性へのメールが短い場合。「彼はシャイだから短いメールしか送れない。でもすごく気に入っていたみたいよ」と言って、彼には、「彼女があなたからのメールに喜んでいたみたい。もっと長いメールを送ってあげて」と言うんです。男性に、その女性が喜びそうなデートコースを教えたり、女性には、その男性が好みそうなファッションを教えたりします。そうして、上手にお互いに等身大以上に見せ、まあ騙して、恋愛をさせるのだそうです。

そのアドバイザー曰く、たとえお見合いであっても、最後には恋愛感情が必要と言っていました。そこには等身大でないある種見栄を張った状態が必要だったりします。

朝井:なんだか人工的にカップルを作っているみたいですね。

博士:そのアドバイザー曰く、恋愛で自然に誰もがやっている騙し合いを、代わりにやっているだけというようなことを言っていました。もちろん、結婚後にも影響を与える本質的な部分でのうそはだめだと思いますが。

一方で僕の仕事は、その騙しを暴く仕事。肩書きのうそ、年収のうそ、結婚する気もないのに結婚したいと言っているようなうそだけでなく、「実は見栄を張っている」とか「本当はデートにそこまでお金をかけたくなさそう」などまで見抜きます。僕の技術を身につけた女性は、恋愛では勝てるし、変な相手に捕まりにくくなる。でも恋をしにくくなります。

朝井:幻想的な夢が壊れるからですね? だから、まあ、恋愛では現実が見えないほうが良いこともあるってことですかね?

博士:そういうことです。

朝井:話が、相談者の意図とかなり変わっちゃいましたが、勉強になりました。

【まとめ】

1)男性が見栄を張っているように見えても、見栄でないことがある。
2)人は文化や伝統に逆らいにくい。
3)文化や伝統に逆らわないほうが人間関係の摩擦を避けられる
4)人の行動が、その人の常識に従って行動していることはよくある。
5)思い込みでその人を判断することで誤解や摩擦が生じることがあるので、決めつけない。
6)専門家が思い込みでもっともらしいことを言うこともよくあるので鵜呑みにしない。相手を判断する時は、一つの言動ではなく、たくさんの言動から総合的に判断すべき。
7)相手を正確に見えると駆け引きはうまくいくようになるが、恋愛が楽しくなくなる。8)恋愛を楽しむには、相手が正確に見えないないことも重要。

(構成:ぐっどうぃる博士、朝井麻由美)

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