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雑学 女性の身体

生理用品がない時代ってどうしてたの? 昔の女性は「月経血」をコントロールしていた

毎月の「月経」で、自分が女性であることを実感する人も多いのではないでしょうか? 今は多くの女性がナプキンやタンポンで月経血を処理していますが、かつての日本では「月経血をコントロールして、トイレで出していた」女性が存在していたといいます。「月経をコントロールする」とは? また、それが女性たちにどのような影響を与えていたのでしょうか。今回は、2004年の発売当時に大きな反響を呼んだ、三砂ちづるさんの著書『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す』(光文社)を参考に考えてみたいと思います。

■明治時代の女性は、綿花を詰めていた!?

「昔の女性は月経をコントロールしていた」という記述は、三砂ちづるさんの著書『オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す』(光文社)で見ることができます。同書には、明治時代に生まれたある女性が、生理のときに行っていた月経血の処理方法が紹介されており、彼女は「くるくると丸めた綿花」を膣に入れていたのだといいます。しかし、それは現代のタンポンのように奥深く入れるのではなく、入り口近くに詰めて、中に何かが入っていることを身体が意識できる状態で使用していたようです。

同様のことが、さまざまな伝承が色濃く残る京都の芸妓の世界では残っていました。同書発刊当時、60代後半だったある芸妓さんは、生理のとき、上質な和紙を丸めて中に詰めていたことを証言しています。1~2時間後、トイレに行って腹圧をかけると、「ふた」となっていた和紙とともに、経血がドッと外に出てくるのだそうです。先に挙げた綿花での方法でもそうですが、これはタンポンのように月経血を吸収させるのではなく、詰めた部分を意識して、漏らさないように調整していたと考えられるのだとか。漏らさないように、また、中に詰めた綿花や和紙を落とさないように意識する動きは、日本女性が昔から行ってきた身体動作と共通するものがあると同書では分析しています。

■現在にも月経血をコントロールする女性がいた!

「月経血をコントロールしていた女性」の話は、何も昔だけの話ではありません。同書では、現在もナプキンなどに頼りきらず、できるだけ「トイレで出す」ようにしている女性の話も紹介されています。「下腹部に神経を集中させて締め、3時間おきにトイレに行けば失敗することはないとその女性は語っています。

彼女たちは、このような月経のコントロール方法を「誰もがしていること」と考えていたそう。「月経過多」「仕事の都合でなんとか月経血をコントロールしたかった」などがきっかけであったと彼女たちは話していますが、明治時代の女性たちは、上の世代からその知恵を受け継いできたようです。

では、なぜ現代ではこのような知恵がなくなっていったのでしょうか。理由のひとつに「着物の文化がなくなった」という点が挙げられます。着物を着て美しく見える姿勢は、月経血をコントロールする身体性を基礎にしているとのこと。また、身体の中心軸を作るのに有効と言われる正座をする機会が失われていることも、その理由のひとつと考えられるのだとか。昔の日本人女性は普段の生活の中で、自分の身体をよりよく魅せる所作を身につけていたため、少し気にするだけで月経血を調節することができたというのです。

■向き合うことで、「月経をいとおしむ気持ちになった」

現在、京都の「運動科学総合研究所」で行われている「大和撫子からだづくりコース」では、月経血をコントロールする身体作りのトレーニングが行われています。トレーニングを通して月経血を調節できるようになった女性たちからは、「月経のたびに意識するようになったことで、月経をいとおしむ気持ちになった」という声が寄せられているとのことです。

「『月経』という女性ならではの毎月の経験を、意識的に過ごすことは、女性性と向き合う大切なことである」と著者の三砂さんは述べています。「(生理中は)せっかく自分が女性であることを自覚できる大事な期間なのに、ナプキンで吸収させ、月経血を垂れ流しにしていてはもったいない」と三砂さんは語っていました。

■まとめ

生理予定日が近くなると、ナプキンのストックを確認する人も多いのではないでしょうか。「漏れない」「つけているのを忘れる」など、快適さを前面に出す生理用品も増えていますが、こうして生理用品に頼りっぱなしの状態は、自分の女性性に向き合う機会を自らなくしていることも……。ブルーな気分で毎月の生理期間を過ごすより、少し視点を変えて月経と向き合うと、新しい発見があるのかもしれませんね。

(松原圭子 /フォルサ)

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