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第10話 鼻で笑いながらも

「いや。ぼくは、そんな風に考えてないから!」
孝太郎は、グラスを置いて立ち上がり、
めずらしく強い口調で反論した。
赤ワインが大きく波打って揺れている。

「でも続けても、おたがいリスクが高いし」
「ぼくはリスクなんて怖くない!」
「課長のリスクは、わたしよりずっと低いから……」

そういうと、孝太郎はうつむいた
「わかった。でも次、もう一度だけ会って」

その日から孝太郎から1日2回は、
LINEが入るようになった。
毎日必ず「愛してる」夜は必ず「おやすみ」
が送られてきた。

そしてプロジェクトがいよいよ解散という前々日。
最後のデートになるはずの日、孝太郎は言った。
「妻と別れて、ひよりちゃんといっしょになる。
だからもう少し、ぼくに時間をほしい」

わたしは「無理でしょ、そんな」と、
思わず鼻で笑ってしまったけど、でも。
「無理だろうけれど……もし、そうなれたら、
どんなにうれしいだろう」と思ってしまった。

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