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第8話 愛される実感

その週の金曜の夜、わたしは、
孝太郎の……上司の命令で残業になった。
そして帰りに「飯おごるから」と言われて、
またいっしょに過ごすことになる。

ふたり、少し大人びた小料理屋さんの、
小さなビアグラスで乾杯する。

「ひよりちゃんが見ててくれると思うと、
いくらでも仕事、がんばれるんだ」

こちらの顔を覗き込んだ孝太郎は、
たしかに、恋する人の目をしていた。

あ、わたし、愛されてるんだ……。
その感覚は痺れるほど、
あまく、切なく、胸がときめいた。

孝太郎の「送っていく」に素直に従い、
家から一番近い乗り換え駅までいっしょに行き、
一度降りてふたりの時間をすごして帰宅した。

また来週も、会う約束をして。

こうして孝太郎との関係が始まったが、
おたがい仕事には一切、私情ははさまなかった。

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