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第2話 モノレールに揺られながら

土曜の朝、羽田空港からのモノレールは、
出張帰りのサラリーマンで混んでいた。
スマートフォンを見る人、眠る人。
わたしは、ぼんやりと窓の外を眺めた。

中国出張の前の日は、空港近くのホテルで、
孝太郎といっしょに泊まる。
この習慣がついてから、半年が過ぎた。
結婚して奥さんのいる孝太郎とは、
こんな機会でもなければ朝を迎えられない。

いや、とても楽しいのだ。
狭いビジネスホテルの一室で、
孝太郎の、今の仕事の苦労を聞いたり、
彼がわたしを「ひより」と呼ぶのに、
ただ返事を繰り返したり。

でも。
「わたし、いったい何やってるんだろう」
最近、こう無意識に、
つぶやいていることがある。

やがて窓の外には、地方競馬場が見えてくる。
美しい競走馬が、全力で走る姿が見える。
一昨年ぐらいは、わたしもあの馬のように、
毎日を、夢中で駆け抜けていた。
彼といっしょに。

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