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専門家 不調

内科医に聞く。怒ると血圧が上がるのは本当?

ユンブル

イライラしているときに、「怒ると血圧が上がるよ」とか、「血管が切れるよ」と人から言われた経験はありませんか。気分と血圧、また血管の状態は本当に関係があるのでしょうか。新六本木クリニック(東京都港区)の内科医・田真茂(でん・まさしげ)医師は、「関係しています。緊張する、ムッとするなどでも、瞬間的に血圧は上がります」と話します。詳しいお話を聞いてみました。

■自律神経の働きで、怒ると血圧は上がる

怒るという感情的なことが、どうして血圧を上げるのでしょうか。田医師は、次のように説明します。

「血圧は、自分の意思ではコントロールができません。個人の遺伝的要素や体質、生活習慣によってさまざまですが、その人にとって健康な状態を保つために、自律神経が調整しています。

自律神経には、興奮したときなどの攻撃モードで働く『交感神経』と、平穏な気分のときなど休息モードで働く『副交感神経』の2種類があります。この2つの神経は、環境や状況によって、バランスをとり合って、血圧のほか、心臓の拍動や呼吸、体温、汗や涙と内臓の活動などをコントロールしています。

怒るということは脳が興奮状態にあり、攻撃モードになっていますから、交感神経が働きます。どう働くかと言うと、脳に血液や酸素を供給するために心臓の拍動を高め、心臓が送り出す血液量が増える、血管が収縮することで血圧が上昇するのです」

では、「そんなにイライラしていると血管が切れるよ」と言われるのも、同じ理由でしょうか。

「体の変化としては、『血管が破れることがあるよ』、『脳や心臓の血管が詰まることがあるよ』ということになります。怒りや興奮が長く続く、また、急激な怒りに見舞われると、一気に血圧が上がって血管が収縮するため、血管が破れやすい状態になります。怒りや興奮、それに強いストレスが原因で、脳出血を起こす例はあとを絶ちません。

また日常的に血圧が高い状態が続くと、血のかたまりである血栓(けっせん)ができやすくなります。その血栓により、脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞が起こりえることも覚えておいてください」と田医師。

■ジョギング中、熱い風呂、運転中も血圧は上がっている

ジョギングや筋トレなど、運動をしているときも同じ状況にあるのでしょうか。田医師は、こう続けます。

「運動中は攻撃モードであり、また、全身に血液を送り込む必要がありますから、交感神経が優位に働いて、血圧が高い状態が続きます。
また、42度以上の熱い風呂にドボンとつかる、サウナに入る、その後水風呂に入ると、血管が収縮して血圧が上がります。体が急に熱くなったり冷たくなったりすると、交感神経が優位になるとイメージしてください。

一方で、40度以下のぬるめのお湯にゆったりつかると、血管が拡張して血圧は下がり、副交感神経が働くことになります」

車の運転中にも、渋滞や道路状況の影響でイラッとすることが多いのですが、その理屈ですと、やはり血圧は上がっているのでしょうか。

「運転中は眠ってはいけないときなので、たとえ日常のことであっても、実は、かなり神経が高ぶっている状態であり、血圧は上昇しています。運転中に限らず、何かヒヤッとすることがあれば、血圧は瞬間的に上がると自覚してください」と田医師。

■怒りは健康に悪影響を与える

怒りが続くと、体調に関わることはあるのでしょうか。

「怒りやストレスがあると、夜も交感神経が優位に立って血圧が高いままになり、熟睡できない、何時間も寝つけない、すぐに目が覚める、朝早くに目覚めるなど、睡眠障害と呼ばれる症状が現れます。これが1週間以上続くと、何かしらの不調が出ることがあるかもしれません。

また、血圧が高い体質になると、健康な同年代の人と比べて年齢とともに血管が硬くなり、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞をまねきやすくなります」(田医師)

医学的に、「あまり怒ったりイライラしないほうが健康によい」と言えるのでしょうか。田医師は、こうアドバイスをします。

「そう言えます。夕方以降、副交感神経が優位になり夜は熟睡できて、翌朝目覚めると交感神経が働いて活動をはじめることが健康な状態です。昼間に怒りを覚えることがあっても、夜には解消して眠れるようになっているのが健康的な生活につながるでしょう」

■まとめ

怒りは高血圧を呼び、血管を縮めて血のかたまりをつくることがあるということです。また、血圧は睡眠の状態とも深く関係しているため、健康のためには、怒りやイライラを夜までひきずらないようにするべきだというお話でした。日ごろから心がけたいものです。

(海野愛子/ユンブル)

取材協力・監修:田真茂氏。救命救急医・内科医。聖路加国際病院プログラム終了認定発表にて研修医優秀賞を受賞。同院の救命救急センターを経て、現在、新六本木クリニック勤務。東京都の災害派遣医療チームDMATとして、専門的な訓練を受けた経験を持つ。
新六本木クリニック:東京都港区六本木7-15-17 ユニ六本木ビル6階
http://shinroppongi-clinic.com/

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