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専門家 不調

臨床内科専門医が教える。初夏に増える「貧血」の予防法とは?

ユンブル

じわじわと暑い日が増えてくると、何だか体がだるく、顔色がよくないように感じます。「夏本番の前から夏バテ?」と心配になるこのごろですが、「汗ばむようになる初夏は、『貧血』の症状が出る女性が増えます」と話すのは、臨床内科専門医で、正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長。詳しいお話を聞きました。

■自律神経のバランスが乱れる。汗とともに鉄が放出する

なぜ初夏に貧血が起こりやすいのでしょうか。女性の不調に詳しい正木医師は、次のように説明します。

「貧血とは血が足りないことと勘違いされやすいのですが、そうではありません。血液中の赤血球やヘモグロビンの量が正常時より減っている状態を言います。赤血球の中にあるタンパク質であるヘモグロビンは、酸素分子とくっついて全身へ酸素を運ぶ役割があるため、貧血でヘモグロビンが減っているときは全身で酸素不足に陥っているわけです。

初夏に貧血が起こりやすい理由のひとつは、季節の変わり目による自律神経のバランスの乱れです。

自律神経とは、心臓の拍動、脈拍、呼吸、血圧、消化、体温など、ヒトが生きるうえで欠かせない活動を調整するために24時間働き続けている神経です。

季節の変わり目は気候の変動や温度差が大きく、内臓や器官の活動をコントロールする自律神経の負担も大きくなります。すると、血圧や心臓の動きに関係する血流が正常ではなくなり、めまいや立ちくらみなどの症状が起こります。

もうひとつの理由として、初夏に入り、汗をかくようになるということがあります。このとき、体内の水分とともに鉄分が体外に放出されます。鉄はヘモグロビンのおもな成分なので、鉄が不足すると貧血が起こりやすくなります。

鉄が不足する貧血を『鉄欠乏性貧血』と呼びますが、スポーツ中に貧血になりやすいのは、このためです」

貧血は女性に多いそうですが、その理由について、正木医師はこう続けます。

「定期的に月経で出血するということが最大の理由です。月経時にめまいや立ちくらみがある女性は多いでしょう。また、ダイエットや偏食も要因となります。

月経時だから普通のことと自己診断する人もいますが、貧血であることに気づいていない場合もあります。血液検査をすれば貧血かどうかがわかりますので、体調に違和感がある場合は放っておかずに内科か婦人科を受診してください」

■「朝食抜き」、「外食中心」、「ダイエット中」は貧血になりやすい

ここで、「貧血かどうかを見分けるための10のチェック項目」を正木医師に挙げてもらいました。いくつ当てはまるか、数えてみましょう。

(1) めまいや立ちくらみがする
(2) 疲れやだるさ、眠気をよく感じる
(3) 少しの運動や階段の上り下りで、息切れや動悸(どうき)がする
(4) 朝起きるのがつらく、寝ても疲れがとれない
(5) 手足の冷えや頭痛、肩こりが気になる
(6) 顔色があまりよくないと言われる
(7) ツメがもろく、欠けやすい
(8) 朝食を食べないことが多い
(9) 外食やファストフード、インスタント食品を食べることが多い
(10) いま、ダイエットをしている

いかがでしたか。

「(1)~(7)は貧血のときに見られる『症状』で、(8)~(10)は貧血が起こりやすい『食習慣』です。3つ以上当てはまる場合は、貧血の可能性があります。風邪や疲労と勘違いして見過ごされやすいのですが、 (1)~(7)のような症状が1週間以上続く場合は、内科や婦人科など医療機関を受診しましょう」と正木医師。

■レバー、ひじき、ホウレン草など、鉄分が豊富な食材をとる

では、貧血を予防するためには、どのようなことを心がければいいのでしょうか。正木医師は次のようにアドバイスをします。

「まず、1日3食、栄養のバランスがよい食事をしたうえで、鉄の不足を補うようにしましょう。鉄分は、肉類、魚介類、乳製品、青菜、また、特にレバーやひじき、ホウレン草に豊富に含まれています。

それに、鉄の吸収をよくするビタミンCやタンパク質を食事と一緒にとることも大切です。ビタミンCは新鮮な野菜や果物に、タンパク質は魚介類、肉類、卵、大豆製品、乳製品などに含まれます。

また、外出時や運動中など汗をかくときは、こまめに水分補給をしましょう。また、鉄は寝ている間に体内に吸収されるので、十分な睡眠をとるようにしましょう。

さらに、季節にかかわらず、ウォーキングや軽いストレッチなどの運動を日常的に取り入れると、栄養成分の吸収、睡眠、筋肉強化によい影響があることが多くの研究で分かっています。ぜひ実践してください」

■まとめ

初夏は自律神経に負担がかかって内臓の活動の調整が乱れる、また、汗をかきはじめることでも貧血になりやすいということです。栄養バランスと鉄の補充を考えた食生活と、水分の補給、睡眠や軽い運動といった毎日の習慣を見直したいものです。

(岩田なつき/ユンブル)

取材協力・監修:正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。
正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9
https://www.facebook.com/masaki.clinic.osaka

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