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専門家 スキンケア

自律神経の働きがポイント! 睡眠医学の第一人者 が教える。美肌キープのための睡眠術とは?

ユンブル

「『肌のゴールデンタイムとは、寝入りばなの3時間』のことです。この間に熟睡できると皮ふの新陳代謝は活発になります」と話すのは、大阪市立大学医学部特任教授で東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身(かじもと・おさみ)院長。では、その貴重な3時間に質の高い睡眠を得るにはどうすればいいのでしょうか。具体的な方法をお尋ねしました。

■寝酒は皮ふの新陳代謝をさまたげる

―入眠から約3時間が肌にとって最重要タイムということですが、その理由を教えてください。

梶本医師 この時間帯には、脳から「成長ホルモン」が分泌されます。思春期のころまでの骨と筋肉の成長に大きく関わりますが、おとなになってからも、食事でとった栄養分の「代謝」に影響を与えています。

成長ホルモンは、体のあらゆる器官の細胞の再生を促します。その分泌がもっとも活発になるのが、ぐっすり眠っているときです。ヒトがいちばん熟睡できるのはいつかと言うと、眠りについてから約3時間であることがわかっています。ですから、この時間帯こそ、皮ふの新陳代謝がいちばん起こりやすいと言えるのです。

―入眠から3時間の間に熟睡できているかどうか、意識していませんでした。お酒を飲んでバタッと寝たときや、疲れてソファで寝たときなどは、翌朝、肌が悲惨なことになっています。何か関係しているのでしょうか。

梶本医師 お酒を飲んで寝るというのは、睡眠にとって何もいいことはありません。眠りにつきやすいと勘違いされることが多いのですが、アルコールは、自律神経のうち、興奮したときに優位になる交感神経を刺激します。そのため眠りが浅い状態が続き、夜中に目が覚める、早朝に起きてしまうなど、睡眠障害ともいえる症状をまねきます。

ソファで寝た場合は、寝返りや姿勢に問題があって熟睡できないでしょう。すると成長ホルモンの分泌活動が低下するなどで、翌朝に皮ふの状態がよくないのは当然の成り行きと考えられます。

■寝る3時間前から、安静モードとなる行動に切り替える

―寝入りばな3時間が貴重である理由がわかったところで、この間に熟睡するための方法について、教えていただけますか。

梶本医師 睡眠は、自律神経のバランスと深く関わっています。自律神経には2つあって、1つは先ほど話した、活動時や昼間に活発になる交感神経ですが、もう1つ、休息時やリラックスモードのとき、夜になると働く副交感神経があります。眠る前にこの副交感神経を優位にすると、自然に質の高い睡眠を得ることができます。

―そういえば、寝る前まで緊張をひきずるようなことがあると、寝付きが悪くなります。

梶本医師 寝る1~3時間ぐらい前からは、心身を安静にする行動をとるようにしましょう。次に紹介する方法は、私たちの研究によって、質の高い睡眠を得られることが明らかになっています。

まず、朝起きたら朝日を浴びましょう。これで脳の体内時計がリセットされて、昼に活動して夜には休息するという生体リズムが整います。朝日を浴びてから14時間~16時間して周囲が暗くなると、脳では「睡眠ホルモン」と呼ばれる「メラトニン」が作られて、体の深い部分の体温を下げます。すると副交感神経が優位になって眠くなるので、このリズムを意識してください。

そして、体温を下げるためには、「寝る1~3時間ぐらい前に、38度~40度のぬるめのお湯で半身浴を10分ほどする」とよいことが実験でわかっています。

また、寝付きが悪いときは、「緑青(りょくせい)の香りをかぐ」ことが有効です。お茶の葉の缶を開けたときに漂う香りをイメージしてください。アロマセラピーで使用する精油や芳香剤も販売されていますが、観葉植物を1枚ちぎって、手でくしゃっと丸めるだけでもその香りがします。

さらに、睡眠ホルモンの分泌をさまたげる、蛍光灯やパソコン、スマホ、テレビ画面の強い光を避けて、間接照明にしましょう。および、飲酒や飲食、ホラーものなど興奮する映画やテレビ、ゲームをする、仕事をする、ベッドでスマホを操作するなど、交感神経を刺激するような行動は避けてください。

■まとめ

睡眠の質は自律神経の働きによって決まり、肌はその影響を直接受けるということです。美肌をキープする、状態を改善するためには、起床時に朝日を浴びたうえで、寝る3時間ぐらい前から心身をリラックスモードに切り替える習慣を身に付け、寝入りばな3時間に熟睡するようにしましょう。さっそく試してみてください。

(品川緑/ユンブル)

取材協力・監修:梶本修身氏。大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授。東京疲労・睡眠クリニック院長。医学博士。国家プロジェクトとして疲労対策の研究を続ける。著書に『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)、『「体の疲れ」が消える本』(成美文庫)ほか。『林修の今でしょ講座』『たけしの家庭の医学』(テレビ朝日)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)ほかメディアに多数出演、睡眠と疲労に関する新常識の提案、わかりやすい解説で知られる。

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