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専門家 不調

歯科医に聞く。口内炎ができやすいのは、ストレスや疲れが原因? 早く治す方法とは?

ユンブル

仕事が忙しくて睡眠時間が短いとき、「毎月のように口内炎ができて悩まされている」という人も多いのではないでしょうか。口腔(こうくう)衛生がご専門の江上歯科(大阪市北区)の江上一郎院長は、「睡眠不足やストレスがあると、口内炎ができやすく、また治りにくくなります。早く治すカギは、『だ液の分泌量』にあります」と話します。その理由や対策について、詳しいお話を聞きました。

■ストレスでだ液が減って、口内炎ができる

―ストレスや睡眠不足があると、なぜ口内炎ができやすく、また、治りにくいのでしょうか。

江上医師 口内炎とは、唇や頬(ほお)の内側、歯ぐきなど、口の中の粘膜にできた傷に、細菌やウイルスが繁殖しておこる炎症の総称です。痛みや腫れ、食べ物が飲み込みにくいなどの症状が現れます。

口内炎を起こしにくくする、早く治すためには、「口の中を清潔に保って細菌やウイルスの繁殖をおさえること」が重要です。この役割を担うのが「だ液」であり、その分泌量がポイントになります。

睡眠不足のときやストレスがあるときは、口の中が乾いてだ液があまり出ていません。面談や何かの発表の直前など、緊張しているときも同様で、みなさんも心当たりがあると思います。

これは、自律神経の働きによる反応です。自律神経には、体の活動時や昼間に活発になる「交感神経」と、安静時や夜に活発になる「副交感神経」があります。この2つがバランスをとりあって、心臓や胃腸など内臓の動き、呼吸、汗、血圧、体温など、体の機能を調節しています。

だ液が分泌されるのは、「副交感神経」が優位に働いているときです。

ストレスや疲れがたまっている、睡眠不足のときは交感神経が優位になるので、だ液の分泌がおさえられます。この場合、ストレスによって口の中の粘膜の表面に微細な傷ができやすくなると言われています。だ液で緩和されるはずの口内炎が治りづらくなるわけです。

■だ液の殺菌消毒作用が、口内炎を改善する

―だ液は、口内炎に対してどのように働くのでしょうか。

江上医師 だ液は99.5%が水分で、安静時は1分間に0.3ミリリットル、食事のときは1~1.5ミリリットルほどが分泌されて、口の中の細菌を洗い流しています。また、だ液には、殺菌・消毒する作用があり、細菌の増殖をおさえます。

つまり、だ液の分泌が十分なときは口内炎はできにくいのですが、だ液の分泌量が減ると小さな傷が口内炎に発展しうるのです。

口内炎ができたときは、いち早く、「舌先で傷口を覆うようにだ液を塗る」ようにしてみてください。大きさや程度によりますが、早期でまだ小さいようであれば、だ液の力で治せる可能性は高いです。

■いくつもできる、繰り返しできるときは生活習慣を見直す

―口内炎が再発する、複数できてつらい場合は、どうすればいいでしょうか。

江上医師 まず、だ液が減っていることを自覚して、体の不調のサインだと考えましょう。ストレスや疲労、睡眠不足ではないか、また、食事による栄養のバランスはとれているかなど、生活習慣を見直してください。

十分な睡眠をとる、休息をして副交感神経が優位に働くことを意識して過ごし、ビタミンやミネラルなどの栄養素をバランスよくとりましょう。

痛みが強い、個数が多い場合は、薬での治療を取り入れることも必要です。また、口腔がんなどほかの病気が原因である場合もあるので、歯科を受診しましょう。

また、同じ場所に繰り返し口内炎ができる場合は、歯並びや歯の形が影響している可能性があります。歯科で、「口の中を傷つけやすい歯並びではないか」を診断してもらいましょう。

■まとめ

ストレスがあるとだ液が減り、口の中の小さな傷が口内炎になる、悪化する、そして、だ液による殺菌作用が口内炎を早く治すということがわかりました。だ液の分泌を意識する生活を心がけることは、口内炎のみならず、ストレスの改善にもつながるかもしれません。ぜひ参考にしてください。

(岩田なつき/ユンブル)

取材協力・監修:江上一郎氏。歯学博士。専門は口腔(こうくう)衛生。歯科・歯科口腔外科・口臭治療の江上歯科院長。
江上歯科 大阪市北区中津3-6-6
http://www.egami.ne.jp/

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