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専門家 不調

臨床内科専門医に聞く。イライラ、ほてり……プレ更年期障害のサイン、どうすればいい?

ユンブル

頭痛、肩こり、めまい、疲れがとれない……、もしかして、プレ更年期では!? と不安に思うことはありませんか。「30歳前後の女性が体調不良で、『もしかして更年期障害では……?』と心配されることが増えています。実際にはどうなのか、適切に判断する必要があるでしょう」と話すのは、臨床内科専門医で、正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長。そこで、原因や症状のチェック法、対策法などについて、詳しくお尋ねしました。

■複数の不調がある20代、30代の女性は要注意

正木医師はまず、プレ更年期について、次のように説明します。

「閉経の前後10年間、つまり、45歳~55歳のころには女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少するため、急なほてりやめまい、睡眠障害、イライラやうつうつなど、日常生活に影響するほどの体調不良になることがあります。それを更年期障害と呼びます。この病気は、血液検査でホルモン量を調べて診断します。

ただしこれらの症状そのものは、更年期の時期ではなくても起こることがあります。貧血や立ちくらみ、めまいや感情の変動は、20代、30代の女性の多くが経験したことがあるでしょう。複数の症状に見舞われると、更年期障害かも!? と自ら疑うのも無理はありません。

若い女性が更年期に似た症状に悩まされている場合に、『プレ更年期』とか、『プチ更年期』と呼ぶ傾向があるようです。実際には、女性ホルモンが減少してそういった症状が現れているのではなく、ストレスなどで自律神経のバランスが乱れているからだと考えられます。

改善のためには、この違いを理解したうえで、適切な対策をとるようにしましょう」

■いまの不調の状況を自覚する

ではここで、「まず、自分の症状を把握しましょう」と話す正木医師に、30歳前後の女性がプレ更年期と間違いやすい次の15の症状を挙げてもらいました。あてはまる項目はいくつありますか?

(1) 月経の周期が短くなったり、長くなったりと乱れやすい。
(2) 顔がほてる、のぼせるなどで不快感が強いことがある。
(3) 急に汗が出て、不快感が強いことがある。
(4) めまい、立ちくらみがよくある。
(5) 手足、肩、腰が冷えやすい。
(6) 階段を昇る、走るなどすると、動悸(どうき)、息切れが激しくなった。
(7) 体重が20歳のころより5キログラム以上増えた。
(8) 目がかすみやすい、しょぼつくことがある。
(9) 肩こり、腰痛がひどくなった。
(10) 胃痛、便秘など消化器官の働きが悪くなった。
(11) 以前より、疲労感が強い。
(12) 寝つきが悪くなった。または、夜中や早朝に目覚めやすくなった。
(13) ちょっとしたことで、イライラしやすくなった。
(14) 以前より、憂うつな気分になることが増えた。
(15) 以前より、仕事や家事、趣味に対する意欲がなくなった。

いかがでしたか。正木医師はこれらの症状について、こう解説します。

「どれも、更年期障害に多い症状です。30歳前後の女性が5つ以上思い当たると、自律神経のバランスが乱れていると考えられます。放置すれば症状が増える、更年期の時期が早くなる、更年期のときにこれらの症状が重くなる可能性もあります」

自分の不調を把握したところで、次に、その直接の原因を知って、自分でできる対策を教えてもらいましょう。

■ストレス、不規則生活から、「神経が休まない」状態になる

正木医師は、上記のような数々の不調が起こる原因について、こう説明をします。

「30歳前後の女性の場合、自分は元気だと思っている人が多いようですが、実は仕事や家事、育児などに追われて、無意識のうちにストレスを抱えこんでいることがあります。それに気付かず、体の不調と向き合わずに、だましだまし日常生活を送っている人も多いでしょう。

また、独身で一人暮らしなら、食事や睡眠が不規則になっている、さらに、ダイエットをがんばり過ぎて栄養が偏った場合も同様の症状が起こりやすくなります」

ストレス、不規則な生活、過剰なダイエットがおもな原因ということですね。そんなとき、体では何が起こっているのでしょうか。

「体には興奮時に働く『交感神経』と、休息時に働く『副交感神経』の2種類の自律神経があり、生活シーンによってバランスをとりながら、体温、呼吸、脈拍、血圧、汗、唾(だ)液、胃や腸など内臓の活動、感情のありようなどを調節しています。

ストレスがある、不規則な生活が続くと、交感神経が優位になり続けます。すると、体温や脈拍、血圧が上がって、汗が出る、ドキドキ感が強い、眠れない、胃腸の調子が悪い、イライラする、憂うつになるなどの症状が出ます。いわゆる、『神経が休まない』と言われる状態です」

改善のためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。

「まずは、いまの自分の状況にストレスはないか、を考えてください。あれば、それを取り除くように努力しましょう。不可能であれば、考え方を変えてみるなど、感情をコントロールするよう意識してください。

また、食生活と睡眠の状態が適切かどうかを見直してください。1日3回、栄養のバランスが整った食事をとり、規則正しい生活を心がけましょう。ウォーキングやジョギング、ヨガなどの軽い運動、アロマテラピーなど、自分がリラックスできる方法を生活に取り入れることも有効です」

最後に正木医師は、異常な不調についてこうアドバイスを加えます。

「ふと気付いたら、月経周期が乱れているということはありませんか。そういう体の変化があれば、不調のサインだと察して休息をとるようにしましょう。もし、貧血がひどい、心臓の拍動のが高い、体重の変動が激しい、大量の汗をかくなどの異常な症状があるときは、血液や心臓の病気の可能性もあります。早めに内科か婦人科を受診してください」

■まとめ

更年期障害とプレ更年期は別の病気であり、前者の原因は女性ホルモンの減少で、後者は自律神経のバランスの乱れにあるということです。プレ更年期の場合、不調を自覚したら、できるだけ早くストレスの原因を探って対策をとる、ストレスを溜めこまない、生活習慣の乱れを正す、軽い運動をすることで改善が望めるようです。さっそく実践しましょう。

(品川緑/ユンブル)

取材協力・監修:正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。
正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9
http://masaki-clinic.net/wp/

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