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専門家 不調

内科医に聞く。朝起きられない、めまい、頭痛、うつうつするのは低血圧が原因?

ユンブル

とにかくだるい、疲れやすい、いつも肩がこっている……。「自称低血圧ウーマン」の同僚は、これらの不調をよく訴えています。そこで、新六本木クリニック(東京都港区)の内科医・田真茂(でん・まさしげ)医師に聞いてみると、「低血圧の人は、手や脚などの血管の収縮力が弱く、血液の循環が悪くなりがちです。体が活動していない午前中は調子が上がらず、さぼっていると思われて落ち込む人もいます」と話します。詳しくお尋ねしました。

低血圧とは、「血圧が100mmHg以下」で3つのタイプがある

――「低血圧」とはどういう状態なのでしょうか。

田医師 まず、血圧とは、血液が血管の壁を押し広げる力のことを言いますが、低血圧には現在のところ、国際的な基準がありません。

病院では一般に、血管がぎゅっと収縮するときの「最高血圧が100mmHg以下」(単位は血圧計の水銀柱の高さ)である場合を低血圧とすることが多いです。

――「低血圧の人は朝起きにくい」と言いますが、本当でしょうか。また、ほかにどんな症状がありますか。

田医師 低血圧の場合は、脳に行く血液量が少なくなっている関係で、朝すっきり目覚められないという症状が起こりえます。ただ、その原因は、低血圧以外のほかの病気や体質など、人によってさまざまですから、低血圧によるとは限りません。

また、低血圧の症状には、めまい、頭痛、肩こり、耳鳴り、不眠、胃もたれ、吐き気、不整脈、動悸(どうき)、うつうつ、イライラするなどがあります。

――低血圧には、原因や状態によってタイプがあると聞きます。

田医師 医学的には、次の3つに分類されています。

「本態(ほんたい)性低血圧」……本態性とは医療用語で、症状はあるけれど原因が明確ではないという意味合いです。つまりこのタイプは、原因となる病気がないけれど常に血圧が低い状態で、体質や遺伝、ストレスなどが原因と考えられています。

「起立性低血圧」……寝ている、座っているときの血圧は正常だけれど、起き上がる、立ち上がると血圧が下がり、めまいや立ちくらみなどを起こします。

「二次性低血圧」……腎臓病や糖尿病などの病気や、薬の副作用などが原因で血圧が低下する状態です。

――ストレスも低血圧に関係するということが気になります。続いて、さらに詳しく伺いましょう。

ストレスがあると、自律神経のバランスが乱れる

――低血圧の症状には女性がよく訴える不調が並んでいますが、どうしてこのようなことになるのでしょうか。

田医師 低血圧は、血液が流れる勢いが弱い状態だとイメージしてください。心臓に血液が戻りにくくて脳の血液量が少なくなるので、さまざまな不調が起こります。

――ストレスも一因とのことですが、血圧とはどう関係しているのでしょうか。

田医師 血圧を調整しているのは、おもに「自律神経」です。自律神経には、緊張や興奮時に働く「交感神経」と、リラックスしているときに作用する「副交感神経」の2種類があって、互いにバランスをとって心臓の拍動や呼吸、体温、汗や涙、内臓の活動など体の機能をコントロールしています。

ストレスがあると交感神経が優位に働くようになり、2つの神経のバランスが乱れて血圧の調整がうまくいかなくなるのです。

――低血圧の正体が見えてきました。次に、不快な症状を改善するための具体策を教えてもらいましょう。

朝食をとる、下半身の筋肉を鍛える、睡眠時間をキープ

――低血圧が原因で朝起きにくい場合、対処法はありますか。

田医師 目覚めたらまず、血流を促すために布団の中で手足をグーパーする、おなかをさするなどの軽い動きをしてください。次に、右側か左側を向いてから布団に手をついて、10~20秒ぐらいをかけて、頭が最後になるように起き上がりましょう。がばっと起きると脳の血流が低下してめまいがすることがあります。

次に、布団に座って腹式呼吸をする、首や肩をゆっくり回すなどして血流を促しましょう。

――日常の生活で、不快な症状を自分で改善する方法はありますか。

田医師 睡眠を7時間はキープすること、規則正しい食生活、それに軽い運動を習慣付けることが重要です。

特に低血圧の人は朝食を抜く、あるいはコーヒーを飲むだけ、という人が多いのですが、できるだけ朝食をゆっくり食べてください。内臓の血流が促され、活動モードになります。

食事は、血管や血液の栄養のために、野菜や海草類でビタミン、ミネラルを、また、魚類、肉類、納豆や豆腐など豆類でタンパク質を積極的にとるようにしましょう。

また、下半身の筋肉は心臓へ血液を戻すためのポンプの役割をしています。ですから、下半身の筋肉を強化するために、「軽いウォーキングを1日に30分~1時間」、「軽いスクワットを10回を1セットにして朝晩2回」、「寝たまま足を持ち上げてエアバイクを左右30回を1セットとして朝晩2回」などを毎日実践してください。これらを2~3カ月実践すると、不調の改善が望めるでしょう。

――低血圧の人が、生活のなかで注意するべきことはありますか。

田医師 バスタイムの熱いお湯や長湯、また、梅雨から夏の湿度や気温が高いときは、血管が拡がって血圧が下がるため、不快な症状が現れやすくなります。気を付けてください。

また、長時間のデスクワークや移動時に急に立ち上がるとふらっとすることがあるので、足をストレッチするなど座っていても運動を心がけましょう。および、汗をかくと体内の水分が減って血圧低下をまねきます。十分に水分をとってください。

もし、立ちくらみやめまいなどで生活に支障を来すことがあれば、だるいだけだと放っておかずに、かかりつけの内科を受診しましょう。

――ありがとうございました。

まとめ

すっきり目覚めるためにはがばっと起き上がるほうがよいと思っていましたが、間違いだということが分かりました。起床時、デスクワーク時、バスタイム時は急に立ち上がらずにゆっくりと体を動かしながら血流を促すこと、ビタミンやタンパク質中心の朝食をとること、睡眠時間をキープして軽い運動を継続すること。これらの生活習慣の見直しについてさっそく同僚に教え、実践してもらうことにします。

(取材協力:田真茂、文:品川緑/ユンブル)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.19)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

取材協力:田真茂氏。救命救急医・内科医。聖路加国際病院プログラム終了認定発表にて研修医優秀賞を受賞。同院の救命救急センターで勤務後、現在は新六本木クリニックの内科医に。東京都の災害派遣医療チームDMATとして、専門的な訓練を受けた経験を持つ。新六本木クリニック:東京都港区六本木7-15-17 ユニ六本木ビル6階
http://shinroppongi-clinic.com/

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