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ヘアケアマイスターが教える。ヘアブラシの選び方と使い方…
髪を美しく保つために 、リンスやコンディショナー、トリートメントを使うことは一般的ですが、髪質やダメージに合わせて何を使えばいいのか、それぞれの役割について理解して使いたいものです。そこで、ヘアメイクサロン・MINT(ミント・東京都渋谷区)の美容師でヘアケアマイスターでもある磯部幸弘さんに、使い分け方や使用法について聞いてみました。
―リンス、コンディショナー、トリートメントとさまざまなヘアケア商品が市販されていますが、何がどうちがうのでしょうか。
磯部さん まず、リンスとコンディショナーは、「髪の表面を保護してすべりをよくする」、「キューティクルの傷みを予防する」、「パサつきを防ぐ」という役割があります。区別のないメーカーもありますが、リンスに比べるとコンディショナーには髪の保護成分が多く含まれ、表面のコンディションを整える力が強くなっています。その分、コンディショナーのほうが料金もやや高めになります。
一方、トリートメントは、「髪の内部に油分やタンパク質成分を浸透させて傷みを補修する」、「うねりやはねを抑えるように表面を整える」という働きがあります。
―どのように使い分ければよいのでしょうか。
磯部さん ダメージケアや、ハリやコシ、うるおいを与えて質をアップさせたい場合には、内部に働きかけるトリートメントを使ってください。
傷みが気になるときは、シャンプーの後にまずトリートメントで補修し、その後に、リンスかコンディショナーで表面をコーティングしてから洗い流しましょう。さらに、ドライヤーをあてる前に「洗い流さないトリートメント」を使うと熱風から髪を保護できて乾燥予防にもなり、よりよいと考えられます。
また、ごわつき、パサつき、広がりがある、乾燥しているときと、特に髪の傷みを感じない場合は、リンスかコンディショナーで表面のケアをするとよいでしょう。
―表面と内部のダメージは、ちがう症状だということでしょうか。
磯部さん そうです。髪は、「外側がキューティクル」、「中間部がコルテックス」、「中心部がメデュラ」という、タンパク質が主成分の3層で成り立っています。
キューティクルはうろこ状に重なって内部を保護していますが、ダメージを受けると損傷してはがれ、でこぼこしてきます。
すると、そこから栄養成分であるタンパク質や脂質が流出し、内部がスカスカの空洞になります。その結果、うるおいや弾力性、しなやかさが失われてパサパサする、ぺちゃんこになる、枝毛や切れ毛になるといったダメージヘアになるわけです。そうなる前に、早めにケアをしておくことがポイントです。
―髪のダメージの状態や原因から、セルフケアでは何を使うかを選ぶ必要があるということです。次に、具体的なヘアケアの方法を磯部さんに教えてもらいましょう。
―トリートメントの効果的な使い方を教えてください。
磯部さん ショート~ボブの場合は1プッシュ、ミディアムヘアは1〜2プッシュ、ロングヘアは2〜3プッシュを目安に、髪の量や太さに合わせて使用しましょう。
また、根元付近の髪は生えたばかりで健康なので、トリートメントを 塗る必要はありません。タオルドライで余分な水気を取ってから、髪の中間から毛先に向かって指先でもみ込むようにつけて、手に残った分を根元付近になでつける程度で十分です。
たくさんの量を塗ったからといって髪の修復力が高まるわけではなく、逆に、つけすぎは余計な油分を頭皮や髪に浸透させることになり、べたつきの原因になります。
表面を補修するリンスやコンディショナーか、修復成分を内側に浸透させて栄養を補うトリートメントを選ぶのか、自分の髪の状態に合わせてケアするようにしたいものです。
(岩田なつき/ユンブル)
取材協力・監修:磯部幸弘氏。日本ヘアケアマイスター協会認定ヘアケアマイスター。美容師。ヘアメイクサロン「MINT」(ミント。東京都渋谷区)に勤務。
MINT 東京都渋谷区恵比寿南2-5-9 内藤ビル202
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