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第44話 彼の気持ちは

ディナータイム、ロッジのレストランの一角は
慎也のサークルのOB会も同然に、
にぎやかに盛り上がった。
おもしろい話もたくさん聞けたけれど、
わたしと木村さんの彼女は
やはり「お客様」な雰囲気にはなる。

でもナイターで滑る人が去ると、
慎也はわたしを手招して言った。
「あっちで、コーヒーでも飲まない」

行けばロッジのレストランの窓際からは、
ナイターの強いライトに照らされて、
白く輝く雪のゲレンデの
幻想的に美しい眺めが見渡せた。
わたしはココアをたのんで慎也の横に座る。
少し寒かったけれど、ふたりなら苦にならない。
しばらく黙って、光り輝くゲレンデを眺めた。

とても満たされた気分。きっといい思い出になる。
でもこの今が最高で、あとは失われるだけなのかも。

「いつか……慎也は誰かほかの人と一緒に、
この場所から、あのゲレンデを見るのかな」
「えっ、何でそんなこと言い出すの?」
慎也は、とても驚いた様子でわたしの顔を覗き込んだ。

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