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第43話 少しさみしい

木村さんは、いくらか照れくさそうな、
それでいて戸惑っているような笑みを浮かべ、
となりにいる細身の若い女のコを手のひらで指した。
「うん。こいつは……真奈美。
今、おれの付き合っている彼女です」

木村さんが「こいつは」といって、
一瞬言葉がつまったのも、
わざわざ「今」とことわりを入れたのも、
友だちの真由が「過去」の彼女だからだろう。

その女のコの、曖昧な微笑み。
でもモコモコしがちなスノボウエアも、
細身の彼女ならきれいに着こなせる。
ピンク系の派手な花柄も若さには映える。

心がざわつくけれど、にっこり微笑んだ。
「はじめまして。森尾瑞葉です。
わからないことがあれば、聞いてね」

その後も、慎也は友人と滑ったり、
ランチの時も、わたしの知らない大学時代の話で、
盛り上がったり。
わたしは木村さんの彼女の真奈美さんと、
少し気詰まりなふたりぼっち。
わかっていたけれど、少しさみしい。

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