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第30話 ボツ

「はい!」
安斎課長に不意に呼び止められ、
椅子から飛び上がりそうになったが、
とりあえず笑顔で返事をした。

「提出した新年度の企画、もう一度練り直しだ」
えー!
心の中では何人ものわたしが、大ブーイング。
最初に出した企画は「斬新すぎる」。
次に直した企画は「一昨年の焼き直し」
……要はありきたりということだ。
今度はいったい、何がどこがダメなのか。

「企画自体は悪くないが、ピントが甘すぎる。
何が客のメリットでそれをどうアピールするのか、
をしっかり書いてくれ」

わたしは「承知しました」と答えながらも
「そこも書いたよ!」と納得いかない。

「いいか、森尾。企画を立てる時に、
こちらの『こんなもんかな?』っていう気持ちが、
透けて見えると客は決して財布をひらかないぞ」

何だろう、このひどい決めつけは。
「こんなもんかな」なんてカケラも思ってないのに。

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