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第52話 僕、何か悪いことした?

頬を真っ赤に染めた詩織を、僕は不思議な思いで見ていた。
どうして赤くなっているんだろう?
そもそも、どうして僕の付箋を手帳に貼っているんだろう?

詩織は瞬きもせず、じっと僕を見ていた。
大きく見開かれた詩織の目にみるみる涙がたまっていく。
やがて耐え切れなくなった涙がぽとぽととこぼれ落ちた。

なんで泣くんだ?
僕、何か悪いことした?
なんで?
何がどうなってるんだ?
頭の中がハテナでいっぱいになって、パニック状態だ。

詩織が赤くなって泣いている理由、
思いつく答えはひとつしかない。
付箋を持っていたのは、僕のことを好きだから――。
でも、まさか、そんな。ありえない。
詩織は、廉のことを好きだったんじゃないのか?
僕は、詩織に何かしてあげたことなんてないし。
カッコいいところを見せたこともない。
だけど、ほかにこの状況を説明できる理由が浮かばない。

詩織は涙を隠すようにうつむいた。
肩がかすかに上下している。
いつもクールで落ち着いている詩織が……。

見たことのない詩織の涙に、僕は胸を打たれた。

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