お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

第12話 困った状況

花火のプログラムがいくつか終わったところで、
廉が戻ってきた。
「あ、廉!」と希美が弾んだ声を出した。
その横で、僕はまた廉に嫉妬して、ムッとした。
「遅かったね。心配してたんだよ」
「ごめん。みんなそろそろ腹が空くころかなと思って」
廉は両手に持っていた白いビニール袋から、
焼きとうもろこしと焼きイカ、たこ焼きを取り出して並べた。
「うゎ、ありがとう~、廉、やさしい!」
希美の声が一段と高くなった。

しまった。廉にいい役を取られた。
僕の心は、並んで食べ物を買ってきてくれた
廉への感謝ではなく、
焦りのような悔しさのような気持ちでいっぱいになった。
僕は『みんなのために』なんて考えもしなかった。
ただ、希美と今以上に仲良くなりたくて、
そのチャンスをうかがうばかり。
つまり自分のことだけ考えていたんだ。
これだから僕はダメなんだ。

希美の中では廉の評価がまた上がってしまっただろう。
困った。これって、よくない状況だ。
だって、希美が本当に
廉のことを好きになってしまうかもしれない。

お役立ち情報[PR]