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第8話 待ち遠しい

はっきり「好きだ」と意識すると、
不器用な僕は、希美の前でぎこちなくなることが怖くて、
よけい希美を食事に誘えなくなった。
だから、2人きりじゃないとしても、希美にゆっくり会える
花火大会の日が待ち遠しかった。

正直言えば、希美の浴衣姿も楽しみだった。
だけど、詩織が「浴衣はやめた方がいいよ」と一蹴した。
「その花火大会って、朝行って、
帰れるのが翌日の朝ってくらい混むらしいよ。
下駄なんて履いていったら、地獄をみるから」
「じゃあ、ホテルにでも泊まる?」
廉の提案にドキリとした。
変な意味はないとわかっているけれど、
それだけ長く希美といられるというのは研修時代以来だ。
だけど、廉がネットで調べてみたら、
会場近くのホテルはすでにどこも予約でいっぱいらしかった。

「渋滞は大変だけど、なんとかなるんじゃない?」
希美があっけらかんとした口調で、でも困ったような顔をした。
どっちが本音なんだろう。あ、どっちも本音なのか。
つまり、希美は花火大会に行くことに乗り気なんだ。

――それは、廉と一緒にいたいから?
それとも、まさか、僕といたいから?
そんなわけないよな、と思いつつ、
どこかで期待している僕がいる。

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