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第5話 まさか、好きなのか

翌週末、トマトすき焼きの店に僕たち4人は集合した。
廉は希美を見るなり「前髪切った?」と声をかけた。
え? 僕には、この間とまったく同じに見えるけど。
「うん、週末に切ったんだ」
希美がうれしそうにほほ笑むのを見て、
僕の心は落ち着かなくなった。

廉も今年、地方から本社に戻ってきたうちの1人だ。
口調が軽くて、ちょっとチャラい感じがするのは、
入社当時から今も変わっていない。
廉が無邪気な笑顔で言った。
「こうやって会うの久しぶりだな。すげぇ、うれしい。
入社当時、研修センターで半年もの間、泊り込みだっただろ。
だからみんなとは家族同然っていうか、
離れていてもつながっている気がするんだよなー」
廉は言葉のセレクトがいちいちオーバーで、
ハイテンションなので、長く話していると疲れてしまう。

だけど希美は廉の言葉を受け、「研修のとき、楽しかったよね。
みんなで海に行ったり、花火したり」とまた笑顔になった。
「今年の夏は、海も花火も行ってないなぁ」
詩織が残念そうにつぶやいた。
「じゃ、行こうよ。これからやる花火大会もあるだろ」
廉の誘いに、希美が「行きた~い」と手を叩いた。
花火大会か。希美とプライベートで過ごせるのはうれしい。

だけど――さっきから、希美が廉の言葉に
何度も笑顔を見せていることが気になっている。
まさか希美は、廉のことを好きなのか?

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