お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

昨夜から、気づくと彼のことを考えている自分がいて……

化粧品の企画開発という仕事柄、毎シーズン、
新しいメイクアイテムをひと通りチェックしている。
今朝は、その中でも特に気に入った発売前の
新作アイシャドウをブラシでていねいにまぶたに乗せた。
淡いスモーキーピンクにグレーを重ねたシャドウは、
やさしさと大人っぽさが同居していて、我ながらいい感じ。

雄吾はどんなメイクが好きなんだろう。
……ああ、まただ。
昨夜から、気づくと雄吾のことを考えている。

いつもよりメイクに時間をかけ過ぎてしまったせいで、
朝食を食べる時間がなくなった。
寝不足でも、二日酔いでも、朝食はしっかり食べる私なのに。

ふいに、大学時代のことを思い出した。
誰かの存在によって、自分のペースが乱されていく。
平和な毎日が壊れて、泣き続ける日々に変わってしまう。
あんな思い、もう、二度と味わいたくない。
だから、もう、雄吾のことを意識しすぎるのはやめよう。

会社に着くと、机の引き出しに入れておいた
チョコレートを食べながら、メールをチェックした。
後輩の亜李絵や取引工場、調香師さんなどのメールに混じって、
雄吾からのメールが届いていた。
『町田雄吾』という名前だけが、特別に目立って見える。

ほかのどんなメールよりも、まっさきに雄吾のメールを開いた。

お役立ち情報[PR]