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雑学 生活

脳科学専門医が教える。大人のための効率の良い記憶力アップ術とは!?「3週間以内の反復練習」

仕事の効率アップや各種の資格試験での勉強のために、記憶力を高めたい人は多いでしょう。そこで、脳科学専門医で金沢大学大学院再生脳外科科長の山嶋哲盛(やましま・てつもり)医師に、脳の働きのメカニズムを踏まえた記憶力アップの方法を伝授していただきました。

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■脳の海馬(かいば)が、長く記憶するべき情報を選んでいる

学生時代、試験前に一夜漬けで暗記したことは、3日もすればすぐに忘れてしまいました。山嶋医師はその現象についてこう説明します。

「初めて見聞きしたことを記憶するとき、まずその情報が届くゲートは海馬(かいば)という場所です。海馬は脳の奥深い場所にあり、小指ほどの大きさでタツノオトシゴに似た形をしています。

海馬はその大きさから、記憶に関わることができるのはせいぜい1カ月間です。

またその役目は、例えば、メモなしで一瞬で覚えた電話番号を思い出すときなどの『即時記憶』と、昨日の食事メニューやここ1週間のニュースなどの『近時記憶』を一時的に保管しておくことです。

それに、海馬の記憶容量は限られています。ですから海馬は、1カ月の間に、『これは生きて行くために必要だ』と取捨選択した情報を、『長期記憶』を担う大脳皮質(だいのうひしつ)という部分へ伝送し、貯蔵させていきます。

一方、『どうでもいい情報』は大脳皮質には送らず、どんどん消し去ってしまいます。そうしないと、次々と現れる新しい情報を効率よくインプットできないからです。

つまり、海馬は、記憶の指令センターの役割を担っています」

■3週間以内の反復練習と、仲間とのディスカッションが有効

一夜漬けであっても、なぜせっかく勉強した内容がどうでもいいことと判断されたのでしょうか。山嶋医師は、海馬が大脳皮質へ伝送する情報の基準についてこう続けます。

「1カ月の間に何度も同じ情報が届いたら、海馬は自ずと『これは重要なことだ』と判断します。一夜漬けで一度しかインプットされなかった情報のことは、『さほど必要ではない』ととらえるに違いないのです。

もし、長期的に記憶していたい情報であれば、海馬から大脳皮質へきちんと伝送されないといけません。そのためには、その情報をできるだけ早いうちに、一夜漬けから遅くとも2~3週間以内に反復して伝え、海馬に『これは重要な情報なんですよ』と認識させる必要があります」

山嶋医師は、記憶力アップのために次の方法をアドバイスします。

「脳には、年齢によって得意とする記憶の方法があります。小学生ぐらいまでは音や絵の情報に敏感ですが、それ以上の年齢になると、ものごとの順序や中身を理解しながら覚えるほうが記憶力はアップします。場所や地理と関連付けて覚えるのも確実な方法です。

私が実践してきた最も効率的な学習・記憶方法は、同じ目的を持つ仲間3~4人で午前中はそれぞれ別の分野の勉強をし、午後に集まって皆で教え合うことです。まず、人に説明することで手持ちの情報が整理されて理解が深まり、間違いを修正することができます。

それに、自分の即時記憶、近時記憶をその日のうちにディスカッションすることで、効率よく大脳皮質へ伝送することができます。

次に、翌日に人に教えてもらった情報を自分で復習すれば、すべてをひとりで勉強するよりもおよそ半分の時間で確実に記憶することができます。私は、医学生とのゼミなどでもこの手法を実証させています」

脳の海馬の役割は、その人にとって必要な情報を取捨選択して1カ月以内に大脳皮質へ振り分けることだそうです。自分の脳で起こっているそんな仕組みを意識するだけで、記憶力がアップした気分(!?)になります。次は、実践あるのみです。

(海野愛子/ユンブル)

監修:山嶋哲盛氏。脳科学専門医。医学博士。金沢大学大学院医薬保健学総合研究科再生脳外科科長。同大学病院などで「アルツハイマー病の早期診断」、「高次脳機能障害」の専門的診療を行う。著書の『サラダ油をやめれば脳がボケずに血管も詰まらない!』(ワニブックス)ほかが話題を呼んでいる。

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