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仕事は自分だけがんばればいい。でも、恋愛は相手があることだから、難しい……

ときどき思う。
明日は今日の続きなんだから、今日までに
種をまいていなければ、明日に芽が出ることはない。

毎日やるべきことをやっているから、
くるべき季節がやってきたときに新商品を出せる。
仕事ではそう考えて行動できるのに、
恋愛となると何をどうしていいかわからない。
「婚活も仕事だと思えばいいだろ」
葉瑠は簡単に言うけれど、それができないから苦労している。
だって、仕事は自分だけががんばればいいけれど、
恋愛は相手があることだから……。

ランチを終えて店の出口に向かうと、男性が入ってきた。
男性は片手でドアを押さえ、「どうぞ」というしぐさをした。
親切な人だなと頭を下げ、間近で顔を見た瞬間、
「あ」
と気づいた。
「雄吾!?」
私に続いて、葉瑠も驚きの声をあげた。
「おー、久しぶり! アメリカから帰ってきたのか?」
「ああ。海外事業部に異動になった」
私はあらためて雄吾をじっと見た。
3年ぶりに会う雄吾は、雰囲気がずいぶん変わった。
髪型のせいか、体にフィットした黒いコートのせいか、
全体的に引き締まった感じがする。

雄吾は、ほかの客が店に入ろうとしているのに気づき、
「またあとで」と私の肩に軽く触れた。
アメリカナイズされている感じがしたけれど、嫌じゃない。
それどころか、かすかなうれしさが肩から胸に広がった。

その感覚は、会社に戻ってからもしばらく残っていた。

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