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「たぶん一生忘れられない」彼の言葉にわたしは

海岸からながめた花火は、
おそろしいほどきれいだった。
いい席をとってもらえたので、
見上げる夜空には、
空を多い尽くすように光の花が咲いていた。

わたしも、友だちも、修二も、全員、
しばらくの間は「すごい」と「きれい」のほかに、
言葉が出てこなかった。

そして花火が上がるたびに、
爆音が体をたたくように響いてくる。

なのに花火が消えると、
夜の海とその上空は吸い込まれそうに暗く、
花火見物の観客のざわめきを覆うように、
波の音が意外なほど大きく聞こえてくる。

その間をぬって花火の提供スポンサーが、
のどかにアナウンスされる。

「たぶん、今夜の花火大会のことは、
一生忘れられないだろうな」
修二の言葉にとなりで「わたしも」と答えた。

それが修二と、はじめて交わした会話だった。

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