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あのコもカレの部屋に行った――心が引き裂かれそうで

気のせいか、菜奈さんの顔は勝ち誇っているように見える。
輝と旅行に行くから?
私よりも自分のほうが輝に想われているから?
だんだん菜奈さんのことが憎く思えてきた。

「だったら輝に言えばいいじゃない、もう私に会うなって。
そんなこと、あなたが私に命令するのはちがうんじゃない?」
また、きつい言い方になった。
菜奈さんの表情がこわばった。
「命令じゃないです。お願いです。
……この間、輝くんの部屋に、女性のヘアゴムがあったんです。
誰の? って聞いたら、結美絵さんのだって」

あ、この間泊まったときに忘れたんだ。
そう思うのと同時に、
心が引き裂かれそうなほどの痛みを覚えた。
菜奈さんも輝の部屋に行った――。
あの部屋には、付き合っていたころの2人の思い出が
たくさん詰まっている。
そこにほかの人が入り込んでくるなんて。

「輝くんから、何もなかったとは聞いてます。
でも、そういうの、もう嫌なんです。
私の不安、同じ女性の結美絵さんなら、わかってくれますよね」
わかるけど……。
だからって、私に言うのはやっぱりちがうんじゃない?
悲しみと、八つ当たりのようないらだちが私の口を開かせた。

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