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雑学 不調

臨床内科専門医に聞く。牛乳は便秘を改善する?「牛乳の乳糖が腸のぜん動を活発にさせ、便を軟らかくする」

ユンブル

牛乳を飲むとおなかがゆるくなることがあると耳にします。筆者もその一人で、特に便秘かもと思うときに愛飲しています。では、牛乳は便秘の改善に役立つのでしょうか。臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)院長の正木初美医師にお尋ねしました。

■乳糖が腸のぜん動を活発にさせ、便を軟らかくする

正木医師は、牛乳の働きについてこう説明します。

「牛乳には緩やかな下剤のような効果があります。牛乳に含まれる成分の一つの乳糖は、腸内細菌の働きによって乳酸や酢酸に分解、吸収されてエネルギー源となります。これらは腸のぜん動運動を活発化させるため、便を軟らかくする働きがあります。

一方で、分解、吸収されなかった乳糖は大腸まで運ばれます。すると、乳糖を分解しようと乳酸菌などの善玉菌が増えて、腸の調子が整えられます。

それに、乳糖は周囲から水分を取り込んで便を軟らかくし、排便しやすくする働きもあります」

乳糖は、その性質的にも、また、腸で分解、吸収されてもされなくても、便秘を改善する働きがあるということです。では、どのように牛乳を飲めば効率的なのでしょうか。

「起床後に、コップに1杯の冷たい牛乳を飲むといいでしょう。乳糖の働きに加えて、食事がきっかけで排便を促す『胃・結腸反射』という生理現象が起こります。

朝食をとると、便意を感じることがあるでしょう。就寝中、胃は空っぽで大腸の運動が緩やかになっていますが、朝食によって急激に胃腸が刺激され、大腸のぜん動が促されます。ですから、便秘対策として牛乳を飲むのに最適な時間帯は、『朝』、『起床直後』だと言えます。

食事に限らず、水でも同じような働きが起こります」(正木医師)

「朝一杯の水」も便秘の改善にいいと言われますが、水と牛乳ではどちらをどう飲めばよいのでしょうか。
「体質や好みによります。手軽という点で、まずは水を1~3カ月試すといいでしょう。水では効果が薄い、あるいは、牛乳が好きな人は牛乳を飲んでみてください」(正木医師)

■便秘と下痢を繰り返すときは、冷たい牛乳を避ける

続いて、「便秘の改善法として牛乳を避けたいケース」について、正木医師に教えていただきました。

・ケース1
35歳女性。牛乳は好きだが、ここのところ牛乳を飲むと下腹部に痛みを感じ、便秘が続く。

自律神経が乱れて腸管が活発に収縮するために、便がうまく運ばれずに起こる「けいれん性便秘」と診断しました。特徴は、「便秘と下痢を繰り返す」、「硬くコロコロとした便」、「食後に下腹部が痛む」、「残便感がある」などで、主にストレスが原因と考えられます。

・ケース2
28歳男性。昼夜問わず、牛乳を飲むとおなかが張って苦しく感じる。

体質的に乳糖を消化、分解する酵素が少ないか働きが弱いために、乳糖が分解されずに大腸に送られることで起こる「乳糖不耐症」の可能性があります。便秘の有無にかかわらず、牛乳を飲むと「おなかがゴロゴロする」、「下痢をする」、「おなかが張る」などの症状の人に見られます。

正木医師は、牛乳の飲み方についてこうアドバイスします。
「これらは、牛乳を控えたほうがいい例です。牛乳の働きで便秘が解消されることはありますが、一方で、牛乳が原因でおなかの調子がよくないと感じることもあるでしょう。それでも牛乳を飲みたい場合は、ホットミルクにしてゆっくり飲む、コーヒーやココア、紅茶などと混ぜるようにしましょう」

牛乳が体質に合う場合は、朝一杯の牛乳による便秘対策生活、手軽に無理なく始められそうです。

(取材協力:正木初美、文:藤井空/ユンブル)

取材協力
正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、大阪府女医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。
正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9
https://www.facebook.com/masaki.clinic.osaka

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.02)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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