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残業が当たり前の彼。デートに遅れるのは仕方ない……?

健治の家の前でインターフォンを鳴らした。
いつもどおり、出ない。
毎回、ほんの少し期待しちゃうけど、
やっぱり無理か。
バッグの中から合鍵を出して、中に入る。
「おじゃまします」
誰もいない健治の家の台所にデリの袋を置き、
お風呂を入れる。

「仕方ないよね。あの会社、忙しいもの」
わたしはまるで自分の家にいるように、
居間のソファでくつろぎ、
健治といっしょに働いていたころを思い出した。

以前に勤めていた会社は、
大きな会社のひ孫受けの仕事が多かった。
そのためギリギリな納期での受注ばかり。
当然のように夜遅くまで残業続きで、
それが社内では当たり前だった。
だけどわたしは体の方がついて行かず、
こじらせた風邪が肺炎にまでなって、
その会社を辞めたのだ。

あそこで働くなら、遅くなるのは仕方ない。
わたしは買ってきた菓子パンを食べはじめる。
あまく、寂しい味わいだった。

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