お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

仲良しだからこそ、あの子が先に結婚するのが怖い――

友だちなのに……ううん、友だちだからこそ、
由布ちゃんが結婚するのが、怖い。
結婚後の由布ちゃんはきっと、
このスポーツクラブにも来なくなるだろう。
会社が終わったら、さっと家に帰るにちがいない。
そうしたらわたしはひとり黙々とマシンを使い、
トレッドミルの上を走ることになるだろう。
ひとりで利用する人は多いけれどやっぱり寂しい。

「うん。たしかにプロポーズかもしれないけれど、
将来も、わたしの気持ちも考えてなくて。
そのくせ束縛が激しいから、うっとおしい」

そこへテーブルの上の由布ちゃんのスマホが、
リンッと短く鳴った。
黒い画面に白い文字でメッセージが浮かぶ。
『仕事終わった。何してるの?』
由布ちゃんはスマートフォンをチラッと見ただけで、
手に取ろうともしない。
「返信しなくていいの?」
「いいよ。どうせたいした用事じゃないから」
そのあとも「今度行く映画、早く決めてね」
「次に会うとき、なに食べたい?」と、
次々メッセージが入るのに、返信しない。
すごい余裕。
由布ちゃん、愛されてるんだな。うらやましい。

お役立ち情報[PR]