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雑学 ボディケア

鼻の孔は、どうして2つあるの?―「予備」のため

耳や目と同様に、左右に1つずつある鼻の孔(あな)。距離や方角を知るには近すぎて役に立たず、1つでも良いのでは?と思うことがある。

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鼻の孔が2つあるのは「予備」のためで、気づかないうちに鼻づまり状態になって片方はサボっている。つまった鼻はかんでも解消しないので、反対の鼻に交代するまで、じっと待つしかないのだ。

■鼻は半日サボっている!

普段なにげなくしている鼻呼吸は、両方の孔でしている思われがちだが、じつは交代で働き、つねにどちらかはサボっている。

鼻の孔を通る空気の量を左右別々に測定すると、左が増えれば右が減り、右が増えれば左が減る。ちょうど波打つようなグラフになり、周期的に増減することから「鼻周期」と呼ばれている。

ひとによって差はあるが、鼻周期はおよそ1~2時間サイクルでおこなわれる。また、つまるといっても空気の流れが悪くなる程度なので、「いま右の鼻で呼吸している」などと自覚するひとはほとんどいないだろう。25~75%ぐらいの範囲で増減しているので、さほど違和感がないのだ。

鼻はなぜサボるのか? このメカニズムは完全に解明されていないものの、もっとも有力な説は、省エネと、嗅覚を休ませるためだ。

呼吸をしなければ生きていけないのは当然だが、そのために多くのエネルギーを使ってしまっては元も子もない。独立行政法人国立病院機構・南京都病院の資料によると、1日の呼吸で消費されるエネルギーは150kcal(キロ・カロリー)ほどで、呼吸数が2倍になると4倍の600kcal、3倍に増やすと10倍の1,500kcalが消費されるという。

呼吸数のほぼ2乗に比例するので、逆に半分にすれば、4分の1のカロリーで済む。つまり、静かに呼吸すると、ムダなエネルギーを消費せずに済むのだ。そのため日常生活のように、多くの酸素を必要としない局面では、片方の鼻だけの省エネモードになるのだ。

もう一つの理由は嗅覚で、マヒしないように休ませるのが目的だ。

ヒトは鼻の孔の天井にある嗅覚器でにおいを感じる。食べ物の安全性や自分の体調を知るうえで重要な器官でありながらも、同じにおいが続くと慣れてしまい、鼻が利かなくなってしまう。そこで嗅覚がマヒしないように、片方ずつ休ませているのだ。

■鼻づまりは、かんでもムダ

休んでいる鼻は、ある意味で鼻炎と同じ状態になっている。

鼻のなかの粘膜が充血し、腫れたような状態となり、空気の流れを減らしているのだ。これは鼻甲介(びこうかい)と呼ばれる3枚の「ひさし」状の粘膜で、とくに一番下の下鼻甲介(げびこうかい)が大きく腫れあがり、鼻づまり状態になる。

においだけを防ぐことができないので、空気ごとせき止め、嗅覚器を刺激しないようにしているのだ。カゼや鼻炎でも同様で、左右が同時に腫れると口で息をするため、なおさらにおいが分からなくなる。野生動物なら非常に危険な状態だ。

鼻がつまった時はかむのが定番だが、効果がないどころか、かえって悪い状態を作り出してしまう。細菌が含まれた鼻水を、耳や副鼻腔(ふくびくう)に押し込んでしまうからだ。

どうしても鼻をかみたい時は、

・両方の鼻を同時にかまない

・力強くかまない

がポイントで、片方ずつやさしくかむのが良いだろう。カゼや鼻炎でなければ、反対の鼻にスイッチするまで放っておくのが得策だ。

■まとめ

・鼻の孔は、左右交代でサボっている

・呼吸に使うエネルギーの節約と、嗅覚を休ませるのが目的

・サボっている側は、鼻炎と同じ「鼻づまり」状態

・つまっている時に、力強く鼻をかむのはご法度

自分ももう一人いたら、半日サボれるかと思うと、鼻がうらやましい。

(関口 寿/ガリレオワークス)

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