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雑学 不調

耳鼻咽喉科専門医が答える。正しい耳掃除の仕方4つ「耳そうじは耳の入り口から1センチほどまで」

耳そうじをしているとなんだか耳が痛い、高層階からエレベーターで降下したとき耳の奥がツーンとする、突然に耳鳴りがする……。この音の違和感の正体は何なのでしょうか。

【耳掃除注意報発令! 耳かきで鼓膜をこすってしまっている人が意外と多い事実】

耳鼻咽喉科専門医で、とおやま耳鼻咽喉科(大阪市都島区)の遠山祐司院長に、耳に関する疑問についてお尋ねしました。回答は、すべて遠山医師によります。

■耳そうじは耳の入り口から1センチほどまで

Q1.耳そうじで、耳かきはどのくらい奥まですべき?

A1.耳あかは、耳の穴のはがれた皮ふが、耳垢腺(じこうせん)からの分泌物とからまってできます。耳垢腺(じこうせん)は、耳の入り口から奥に3分の1ぐらいまでの軟骨に囲まれたトンネルの部分にあり、ここに耳あかがたまります。

通常、耳の中の皮ふは鼓膜の中心部から外へ外へと流れているため、耳の奥に耳あかはたまりません。ですから、耳そうじは、「耳の入り口から約1センチまで」を耳の穴の壁に沿って、そっと行えばいいのです。具体的には、綿棒で中から外へ向かってらせんを描くように数回ぬぐえば充分です。

耳かきや綿棒で奥までそうじしようとすると、トンネルの壁を傷つける恐れがあります。特に耳の入り口から後ろの壁に沿って約2.5センチ先には鼓膜(こまく)があるので、そこまで達しないように注意してください。

Q2.耳そうじは毎日すべき?

A2.×です。耳に異常がなければ、耳あかは、耳の入り口から鼓膜(こまく)までにある外耳道(がいじどう)の自浄作用によって自然に排出されます。したがって、頻繁に耳そうじをする必要はありません。月に1~2回のそうじで充分です。

「毎日、お風呂上がりに綿棒で耳をそうじしている」という人も多いのですが、耳鳴りの原因にもなります。耳そうじのし過ぎは、百害あって一利なしと覚えておいてください。

Q3.耳がキーンと鳴ったとき、つばを飲み込むと治るのはなぜ?

A3.通常、耳の中と外の気圧は同じ状態に保たれています。しかし、エレベーターで上昇、下降したとき、トンネルに入ったとき、飛行機の離着陸時などで急激に外の気圧が変化すると、体がそれにすぐにはなじめず、体の内外に気圧差が生じます。

これによって、ツーンと耳がふさがったような感覚を覚える、キーンという高い音の耳鳴りがする、痛みがある、少しの時間、耳が聞こえなくなることもあります。

つばを飲み込む、あくびをする、鼻をつまんで空気を耳に押し入れると症状が改善します。これは、鼻の奥と鼓膜(こまく)の内側にある中耳腔(ちゅうじくう)とつながる耳管(じかん)が開いて、耳の中の気圧を調整し、鼓膜の位置を正常の状態に戻すからです。

Q4.耳鳴りの音の正体は?

A4.耳鳴りとは、明らかな音がない状態にも関わらず聞こえる、あるいは感じる音の感覚です。耳鳴りの多くは、内耳(ないじ)という耳の最奥部の細胞が傷んで起こると言われます。

ですが、精神的ストレスがあるときにも耳鳴りはします。また、内耳が外界からの刺激で炎症を受けた場合にも耳鳴りが続くことがあります。

耳に水が入ったり、トンネルに入ったような「ブーン」という低音の耳鳴りが急に聞こえたら、低音型突発難聴(急性低音障害型感音難聴)が疑われます。過労やストレス、睡眠不足が原因の場合が多く、20~30歳代の女性に多く見られます。

突然、「キーン」という音や金属音、電子音のような耳鳴りだけが聞こえ、そのほかの音や声が聞こえなくなる症状は、突発性難聴の可能性があります。かつては40~50歳代の女性に多く見られましたが、最近では10~20歳代の女性、また男性も増加傾向にあります。

このような耳鳴りと同時に、強い吐き気やおう吐、頭痛、激しいめまいが起こる場合は、「メニエール病」の可能性があります。

また、本人だけでなくほかの人も聞くことができる「他覚的耳鳴(たかくてきじめい)」の場合もあります。耳の奥の小さな筋肉がけいれんする音や、耳の近くを通る血管の雑音など、実際に何らかの微小な音が聞こえるケースです。

傾向として、20~40歳代の方の耳鳴りは、外界からの刺激や耳のいじり過ぎによる炎症、あるいは、自律神経の異常や情動が原因であることが多いです。高齢者は、難聴に伴うケースが多くあります。

いずれのケースも、めまいや難聴をともなうなど日常生活に支障をきたす場合は、直ちに耳鼻咽喉科を受診しましょう。耳鳴りの症状が持続するときは、始まって1週間以内に受診することをお勧めします。

耳鳴りの原因が耳そうじのし過ぎかもしれないとは……。正しい耳そうじの方法、耳の違和感への対処法、注意すべきことが分かりました。これらの情報から耳のケアを心がけたいものです。

取材協力・監修
遠山祐司氏。耳鼻咽喉科・気管食道科専門医。大阪市都島区医師会会長。医学博士。とおやま耳鼻咽喉科(大阪市都島区)院長。
http://www.eonet.ne.jp/~tohyamajibika/

(岩田なつき/ユンブル)

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