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食事するのは2度目なのに、私、彼を全然知らない……!?

夜の東京駅は、
照明に照らされた赤レンガが薄闇に浮かび上がって、
幻想的な情緒をかもし出していた。
「昼の東京駅はビジネス街の駅って感じだけど、
夜はレトロな雰囲気に変わってロマンティックだね」
思わず話かけてしまったあとで、
晴真さんにこういう話は向かなかったかなと少し後悔した。
なんていうか、これまでのかみ合わない会話から、
晴真さんは情緒的な話は好きじゃなさそうな気がしている。

「昼と夜とで色が変わる石もあるんだよ。
アレキサンドライトっていう宝石なんだけど、
太陽光の下では青色、白熱灯の下では赤色に見えるんだ」
あれ?――情緒的な話からはそれた気もするけれど、
興味深い話題をふってくれている。
「素敵ね。晴真さん、宝石詳しいの?」
「鉱石や地層のほうが詳しい」
そういえば博物館で、晴真さんは
鉱物の展示の前に長い時間立っていた。
「そういうの、好きなんだね」
「子どものころ、うちの近くで化石が採れて。
それがきっかけで興味を持って、今の仕事につながった」
「今の仕事って?」
「環境コンサルティング。
水や土壌の汚染とか、地層の調査もするんだ」
そうなんだ。
一緒に食事をするのはこれで2度目なのに、
晴真さんのことを全然知らないことに気が付いた。

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