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彼は私が大切? あのころは愛があったのに

私の質問に、コウちゃんは箸を動かす手を止めた。
「ねぇ、私のこと、愛してる?」
「何? 今さら」
やっぱり、愛しているとは言ってくれないんだね。
昔はちがった。「好きだ」「愛してる」と何度でも言ってくれた。
旅行にだってよく行った。
この茶碗は、一緒に行った温泉地で買ったものだ。
『夫婦茶碗だね』って、照れながら微笑みあった。
あのころは、ちゃんと愛があったのに――。

「……鈴。働きはじめてから、おかしいよ」
コウちゃんは、非難する目で私を見た。
『働くことに向いていない』と言われた気がする。
新規プロジェクトで、明莉さんのサポートに
回されたときのショックがよみがえって、傷ついた。
「コウちゃんは、私の仕事はたいしたことないって
思ってるんだよね。確かに、時短になってから
やりがいのある仕事は同期に取られちゃってるけど。
でも、結婚さえしていなければ、私だって……」
コウちゃんの顔色が変わった。

「俺と結婚しなければよかった、ってそういう意味かよ?」
コウちゃんは怒って乱暴に立ち上がり、
そのはずみで茶碗がテーブルの下に落ちて、割れた。
ああ……割れた茶碗は元には戻らない。
きっと私たちの仲も戻らないのだろう。だったら――。
ふいに思った。浮気相手の女性を突き止めたい。

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