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子どもがいる私には、自由に旅行なんて許されないの?

深夜遅く帰ってきたコウちゃんからは、お酒の匂いがした。
「これ、お土産」
めずらしい。コウちゃんがそんな気をつかってくれるなんて。
包みをあけると、そば茶だった。
「おそば屋さんに行ってたの?」
「うん。そば居酒屋っていうヤツかな」
コウちゃんの機嫌はよさそうだ。
訊くなら今だ。

「ねえ、大学時代の友だちとスノボに行ってきていい?」
「は?」
「スノボ」
「何言ってんの? 蘭はどうすんの?」
「日帰りで行くから、コウちゃん、面倒見ててくれる?」
コウちゃんの顔が一気に曇った。
「スノボしたいなら、蘭がもうちょっと大きくなってから、
家族で行けばいいんじゃないか?」
やっぱりそうだよね。
私には子どもがいて、家庭がある。
自分勝手に好きなときに好きなところへ行くなんて
許されないよね。

亮祐に断りのメールを送った。
初回の女子への連絡役だけは引き受けると書き添えた。
隣で、コウちゃんは満足そうに眠っている。
そのぶん、私の不満が増えているとも気づかずに。

ふいに、コウちゃんが寝言を言った。

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