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臨床内科専門医に聞く。「赤ワインとチーズ」、「薬の飲み過ぎ」は頭痛のモト!?

ユンブル

ズキンズキン……こめかみの奥の方で何やら脈打つような頭痛。どうしてこんなふうに痛むのか、これ以上の痛みは何とか避けたいところです。

原因と予防、また自分でケアする方法について、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)院長の正木初美医師にお尋ねしました。

雨の前、生理、酸欠、呼吸の乱れでも

Q1.「赤ワインとチーズ」が頭痛を招く?

食と頭痛、関係はあるのでしょうか。

正木医師 頭の片側、または両側がズキズキと痛み、吐き気、おう吐、下痢を伴うことがある片頭痛は20~40歳代の女性に多くみられますが、何かの要因で脳の血管が急激に拡張し、血管のまわりの三叉(さんさ)神経(脳から直接出ている神経)を刺激するために起こります。

目の前がチカチカする、めまいがするなどの前兆が現れることもあります。

お酒を飲んでいると、ある時点から頭がガンガン痛くなることがあるでしょう。片頭痛を誘因する代表的な食品として、アルコール、特に赤ワインが指摘されています。一方チーズやチョコレートに含まれる物質は血管を収縮させることがあります。

ですから、「赤ワインとチーズ」の組み合わせは、片頭痛に悩む人にとってはNGだと覚えておきましょう。

一方で、マグネシウムやビタミンB2を一定量摂取すると片頭痛予防に効果がある、という医学調査結果が報告されています。予防のために、いつもの食事にこれらの食品をプラスすることをお勧めします。

大豆製品、ひじき、ほうれん草、ゴマ、のり、アーモンド、落花生、うなぎ、豚肉、レバー、牛乳、ゴマ、卵など

Q2. 雨の前、梅雨どき、飛行機の離着陸時に痛むのは?

雨や台風の前、頭痛と体の重だるさを感じます。なぜでしょうか。

正木医師 頭痛と天候は密接に関係します。雨が降りそう、台風が近づいている、梅雨の時期、飛行機に乗っているなど、低気圧になると脳の血管が拡張し、まわりの神経を圧迫するために頭痛が起こります。

低気圧で頭痛を感じたら、20分~1時間ほど仮眠をとりましょう。適度な睡眠をとると、拡張した血管が平常に戻って痛みがとれます。

保冷剤や氷まくらをタオルなどに包んで頭を冷やす、熱いタオルやタオルに包んだ使い捨てカイロなどを後頭部に当てて頭を温めるのも有効です。どちらで症状が和らぐかは個人差があるので、自分に合った方法を見つけてください。

飛行中なら、キャビンアテンダントの方にお願いして、氷、熱いタオルなどを貸してもらいましょう。

Q3.生理と関係する?

生理前、生理中の頭痛は、生理痛の一つの現象なのでしょうか。

正木医師 月経前には女性ホルモン(エストロゲン)の血中濃度が下がることで、片頭痛が起こると考えられています。月経のときに起こる片頭痛は、平常時に起こるものと比べて痛みが強く、持続時間も長いため、薬が効きにくい傾向にあります。

月経前、あるいは月経時に頭痛が起きても、生理痛の一種だと思って片頭痛とは気づかない方も多いようです。市販の鎮痛剤を1日3回服用してもおさまらない、1カ月に何度も服用しなければならないのであれば、ホルモン異常の可能性もあります。

婦人科を受診しましょう。

Q4.酸欠……? 閉め切った部屋での運動でも

混み合ったジムでランニングや筋トレをしていると、頭痛がすることがあります。

正木先生 空間の換気ができているかどうかを確認してください。狭い場所で激しい運動をすると、空中の酸素が不足することで脳の血管が広がり、頭痛がすることがあります。窪地や倉庫などでも同様の現象が起こりえます。

いわゆる酸欠(酸素欠乏症)です。すぐに風通しのいい場所へ移動してください。

運動時の疲労や、イライラ、うつうつするときなど、呼吸が浅くなる、過呼吸になることでも脳の血管が拡張するので頭痛が起こります。鼻からゆっくり吸って口から吐く腹式呼吸を意識して行ってください。自律神経のバランスを整えることにつながります。

Q5.鎮痛剤の飲み過ぎで頭痛が倍増?

「薬物乱用頭痛」という症状が問題になっていると聞きました。

正木先生 最近、頭痛診療の中で問題になっているのが、薬物乱用頭痛です。鎮痛剤の飲み過ぎによって痛みがさらにひどくなってしまう頭痛のことです。「頭痛が月に15日以上あり、鎮痛剤を3カ月以上定期的に服用している。

鎮痛剤の服用により頭痛が悪化している」状態のことをいいます。

鎮痛剤の乱用で頭痛を起こす刺激のレベルが低下し、痛みに対して敏感になるために頭痛がひどくなる、また鎮痛剤を服用する、を繰り返してどんどん薬物乱用頭痛へと移行していきます。

非常に怖い病態ですので、そうならないように適切な治療を受けることが重要です。鎮痛剤がだんだんと効かなくなってきたら、自己判断で鎮痛剤の量を増やしたりするのではなく、頭痛の専門医を受診しましょう。

最後に正木医師はこうアドバイスをします。
「市販の鎮痛剤を常用している方で薬物乱用頭痛ではない方は、目安として10日~2週間継続して服用しても効果がない、慢性的に痛む、痛みの回数が多くなってきた、痛みがだんだん強くなってきた、また、生活に差し支える強烈な痛みがあるときにはすぐに医療機関を受診しましょう。

脳腫瘍(しゅよう)や脳出血など重篤な疾患の場合があります」

赤ワインとチーズの食べ合わせには要注意、後頭部を温める・冷やす、呼吸を整える、鎮痛剤を飲み過ぎない……。いますぐに自分の体質、生活環境を見直しつつ、これら、頭痛のセルフケア法を実践したいものです。

取材協力
正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、大阪府女医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。
正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9
https://www.facebook.com/masaki.clinic.osaka

(取材協力:正木初美、文:藤井空/ユンブル)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.28)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年02月07日に公開されたものです

ユンブル

雑誌・書籍などの出版物や広告物、Webサイトの企画、編集、制作、また広報・出版のコンサルタント、広報代行、教育事業などを行う編集プロダクション。「健康」、「家庭医学」、「医療」、「美容」、「不動産」、「広報」、「教育」などの分野の情報発信を得意としている。

http://www.yumble.com/

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