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臨床内科専門医に聞く。寒波襲来時の温泉浴は湯疲れ、ヒートショックに注意!

ユンブル

この冬アメリカに大寒波が襲来、南極並みの低温による死者が出ているというニュースが流れ、日本でもこのところ各地で最低気温の更新、積雪の情報が続いています。

「寒い時期に寒い地方の温泉に出かけて、ひどい湯疲れやヒートショックを起こす人が増えています。特に1月から2月にかけての最も寒い時期には、温泉地での過ごし方、自宅での入浴にも注意が必要です」と話すのは、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)院長の正木初美医師。

そういえば残業を終えた翌日に睡眠不足のまま地方の温泉へ出かけ、「食べ過ぎ、飲み過ぎの上に湯に浸かり過ぎてふらふらになり、風邪と胃腸炎で寝込んだ」という経験があります。

全国で年間17,000もの人がヒートショックで死亡

「暖房で暖かくした部屋から寒い脱衣所に移動して衣服を脱ぐと体が冷え、血圧は急に上がります。次に一気に高温の湯に浸かると、今度は血管が拡張して血圧が急低下します。

寒い地方の温泉では、外気が低いため42度以上の高温維持に設定していることがほとんどです。すると、外気と湯の温度差は30度~40度になり、体はそれになじめずに異変を来すことがあります」と正木医師。

ビジネスパーソンらに多いのが、「湯疲れ」という症状だといいます。
「高温の湯に長く浸かると、吐き気、おう吐、下痢、頭痛、発疹、発熱、悪寒、けんたい感、不眠の症状が出ることがあります」(正木医師)

さらに正木医師は、ヒートショックという死に至る症状について説明します。
「心臓に負担がかかり過ぎ、心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞を起こす、一人で入浴中なら失神から溺死してしまうこともあります。これを一般に、『ヒートショック』と呼び、高齢者に多く見られる症状です」

東京都健康長寿医療センター研究所(地方独立行政法人)は、「2011年は全国で約17,000人がヒートショックにより死亡。外気温が低くなる1月は8月のおよそ11倍になる」と推計したデータを発表しています(※1)。

宿で寝つけなかった翌日は特に注意を

ビジネスパーソン世代へ、正木医師はこう注意を促します。
「日ごろは忙しくて睡眠不足やストレスフルな人が、温泉旅行に出かけて日に何度も長湯をすることがあるでしょう。食後の満腹時やお酒を飲んだ直後に高温の湯に浸かると体への負担が大きくて疲れるだけです。特に、メタボ体形の人、不整脈がある人は注意してください。

また、冷え性だからといって、むやみに浸かるのも避けましょう。いずれにしても、水分をとらずに長湯をすると、気づかないうちに脱水症状を起こして湯疲れの各症状を引き起こすことにつながります」(正木医師)

疲れすぎない、またヒートショックを避けるための方法について、正木医師は次のことを勧めます。

・食後すぐや、お酒を飲んでの入浴は避ける。
・入浴前に一杯の白湯を飲む。
・入浴中ものどの渇きを感じたらすぐに水を飲む。
・脱衣所を暖かくしておく。
・自宅では入浴前にシャワーを壁にかけて浴室を暖めておく。
・湯船に入る前に、足、腰、お腹、心臓あたりと、下から順にかけ湯をする。
・いきなり露天風呂に向かうと外気に触れて血圧が急上昇するため、まずは内湯で体を温めてから露天風呂に入る。
・肩まで湯に浸かる前に、1分ほどでも足湯、半身浴をして徐々に浸かる。
・42度以上の高温の湯に浸かるのは避ける。
・外気と湯の温度差が激しくなる早朝、深夜の入浴は避ける。
・温泉浴は1日に3度まで。60歳以上は2度までにする。
・1回の入浴は3分~5分程度にして、同時間の休憩をはさむ、を2~3回繰り返す。

最後に正木医師は、こうアドバイスを加えます。
「旅先では、枕が変わってよく寝つけない、便秘をする、でも食べ過ぎる、飲み過ぎるという人は多いでしょう。想像以上に体は疲れているはずです。連泊する場合、眠れなかった翌日は軽い温泉浴にしておくなど、疲れが増幅しないように気をつけましょう」

せっかく温泉旅行に来たのだからと、繰り返しお湯に浸かって夜通し友人と長話、飲んで調子に乗って湯にじゃぽん、という行動は、体が疲れる要因になる――。特に冬場は、体にやさしい温泉浴を心がけるようにしたいものです。

※1
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所
「冬場の住居内の温度管理と健康について」
http://www.tmghig.jp/J_TMIG/release/pdf/press_20131202.pdf

取材協力
正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、大阪府女医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9

(取材協力:正木初美、文:海野愛子/ユンブル)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.28)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年02月06日に公開されたものです

ユンブル

雑誌・書籍などの出版物や広告物、Webサイトの企画、編集、制作、また広報・出版のコンサルタント、広報代行、教育事業などを行う編集プロダクション。「健康」、「家庭医学」、「医療」、「美容」、「不動産」、「広報」、「教育」などの分野の情報発信を得意としている。

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