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雑学 ヘルスケア

大人のためのインフルエンザ講座―暖かい地方への旅に注意

国立感染症研究所は1月24日、2014年第3週(1月13日~19日)のインフルエンザ発生状況を発表しました(※1)。全国の医療機関でこの1週間に受診した患者数を推計すると約 66 万人で前週の約2倍に増加。

厚生労働省は「本格的な流行期に入った」と注意を呼びかけています。

■定点あたりの患者数の全国トップは沖縄県。九州も多い

同データを見ると、定点医療機関の1週間あたりの患者数の全国最多は沖縄県になっています。次いで宮崎県、岐阜県、大分県、福岡県、熊本県、佐賀県、滋賀県、大阪府、愛知県と続きます。

また、定点あたりの患者数が10人を超えると注意報レベル、30人を超えると警報レベルと言われますが、沖縄県 、大阪府 、熊本県 、岐阜県 、静岡県、愛知県 、福岡県 、宮崎県では警報レベルを超えた地点があり、注意報レベルを超えた地点は44都道府県にのぼります。

これらのことから、温暖なエリアである沖縄県や九州で定点あたりの患者数が多いことが分かります。この時期、出張や旅行に出かける際の注意として、一つの参考にしたいデータだといえるでしょう。

■ビジネスパーソン世代の予防には、ストレスケアが重要

インフルエンザウイルスの2013年9月以降の検出状況では、「A香港型」の割合が最も多く、次いで 2009年に大流行した「新型(H1N1型)」、「B 型」の順。一方で、直近の5週間(2013年12月16日~)では新型の検出割合が最多を示していることから、同研究所は、「新型には免疫のない子どもや乳幼児が多いとみられ、感染が拡大している恐れがある」と指摘、今後さらに増加することが予想されています。

また、患者数を年代別に見ると、5~9歳が約12万人、30代が約10万人、0~4歳が約9万人、40代が約8万人、10~14 歳・20代がそれぞれ約7万人、50代が約5万人。前週の最多は30代(6万人)であったことから、30代、40代のビジネスパーソン世代の患者数が多いことが明らかになっています。

そこで、この世代が知っておきたいインフルエンザ情報について、臨床内科専門医で正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長に聞きました。

まず、インフルエンザと風邪の違いについて。

「インフルエンザの症状の特徴は、一般的に38度以上の急な発熱で、同時に強いけんたい感や関節の痛みがあります。せきや鼻水、のどの痛みなど、風邪と同様の症状も現れます。風邪の症状は通年ですが、インフルエンザは12月~3月、特に1月から2月にかけて、患者数が急増します」(正木先生)

次に正木先生は、検査法について説明します。
「医療機関では、インフルエンザウイルスの抗原を検出する迅速診断キットを使って、綿棒で鼻の粘膜をこすり、液体に浸し、約15分で感染しているかどうかを調べます。ただし、感染してから発症早期のウイルス量が少ない時期には、迅速診断検査では陰性と診断され、半日~1日後に陽性化することもあります。

ですから1回の検査では断定できないことにも注意しましょう」

ここで、大人が気をつけるべき点について、正木先生は次のようにまとめます。

・ビジネスパーソン世代がインフルエンザにかからないためのキーワードは、「日ごろのストレスケア」。一見、免疫力や体力があるかのように思える世代ですが、実は仕事や人間関係でイライラやうつうつした気分が続き、免疫力が低下している人が多いのです。

笑いと免疫力、病気治癒の関係が多くの医学データで明らかになっていますが、仕事でミスをしたときでも、くよくよせずに少しでも笑って、気力を充実させることが大切です。

■インフルエンザ予防法

・多忙で睡眠不足になっていませんか。できるだけ早い時間に寝るようにしましょう。

・栄養バランスがとれている食事を日に3度、規則正しい時間にとり、体力を温存しましょう。

・体を温めましょう。インフルエンザは冷えた体に感染しやすいことが分かっています。

・「感染しないように」と意識をしながら、手洗いを励行しましょう。オフィスの共有機器、ドアのぶ、トイレの水道の蛇口、電車のつり革など、複数の人が触れる場所ならどこでも感染する可能性があります。水でちょっと洗うのではなく、液体石けんを使って(固形石けんは感染源になることがある)、手首から指の間、爪の先まで目安として15秒以上の洗浄をしてください。

・外出から帰ったときはもちろん、オフィスでも休憩時に、1日に3回以上のうがいをしましょう。塩水やうがい薬がないときは水でもいいので、こまめにすることが大事です。

・のどの乾燥を防ぐため、水分をこまめにとってのどを潤す、のどあめを適宜なめておくなどしましょう。

・ある程度の飛沫(ひまつ)を避けることができる「不織布(ふしょくふ)製マスク」をしましょう。インフルエンザの感染経路は、咳やくしゃみによって発生する飛沫感染です。飛沫を浴びないようにすれば、感染する機会は減少します。

・体力が低下しているとき、精神的に疲れているときは、なるべく人ごみや繁華街への外出は避けるようにしましょう。

・インフルエンザワクチンを早めに接種しておきましょう。接種後、効果が出るのに約2週間かかります。毎年12月中旬までに接種することが望ましいですが、3月頃までは流行するため、今からでも接種することをお勧めします。

・病院や役所、スーパーなどの入り口に設置してあるアルコール手指消毒剤は、インフルエンザウイルス対策に有効です。15秒以上、手首から爪にかけてもみこむようにして、積極的に活用しましょう。

・自分の部屋、寝るときでもマスクをすると、自分の息で口腔内が潤い、のどの乾燥を防ぐことができるのでお勧めします。

・水分をこまめにとる、のどあめを適宜なめてのどの乾燥を防ぎましょう。マスクをしてのどあめをなめると、さらに効果があります。

・インフルエンザウイルスは胃酸で不活化される可能性が高いことが分かっています。のどにひっかかったインフルエンザウイルスを胃に流し入れるイメージで、水を飲みましょう。

また、インフルエンザ感染後に出社するタイミングについて正木先生は、

「熱が下がって諸症状が改善しても、その後2日間はヒトに感染させる可能性があります。治ったなと思ってからも症状や状況によっては2~3日は会社を休み、外出を控えることがさらなる感染を避けることにつながります」と注意を促します。

インフルエンザの患者は暖かい地方で急増していること、また、免疫力がありそうな30代、40代に多いという意外な事実が判明しました。気力・体力を過信せず、生活習慣を意識してこの冬を乗り越えましょう。

※1
厚生労働省
「インフルエンザの発生状況について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/dl/houdou20140124-01.pdf

(取材協力:正木初美、文:海野愛子/ユンブル)

取材協力
正木初美氏。日本臨床内科医会専門医、大阪府内科医会理事、大阪府女医会理事、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院長。正木クリニック:大阪府大阪市生野区桃谷2-18-9

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.02)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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