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アメリカ人は毎日5,500kcalの摂取、EUの男性は6,400kcal。では日本人は?

2013年11月、アメリカ食品医薬品局(FDA)がマーガリンなどを規制することを発表した。含まれるトランス脂肪酸が悪玉コレステロールを増やし、健康を害するのが理由だ。

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マーガリンは本当にからだに良くないのか? トランス脂肪酸だけに注目するなら、牛肉にだって含まれている。生活習慣病のもととなるのは否定できないが、過剰なカロリーや塩分を控えれば、神経質になる必要はなさそうだ。

■世の中はコレステロールだらけ

「あぶら」は油脂(ゆし)と呼ばれ、液体の「油」と固体の「脂」を指す。油脂をさらに分類するとグリセリンと脂肪酸に分かれ、脂肪酸には飽和/不飽和の2種類がある。FDAが規制しようとしているのは、不飽和脂肪酸のうちのトランス脂肪酸だ。

トランス脂肪酸はおもに加工された油脂で、口溶けが良く酸化しにくいのが特徴だ。油脂は空気に触れると酸化し劣化してしまう。食用に限らず、自動車のエンジンオイルでさえ、空気に触れるだけで劣化する。対してトランス脂肪酸は酸化しにくいため、味の変化や傷みが生じにくい。

そのため日持ちが求められるマーガリンや、食感が重要なパンやケーキ、お菓子に最適なのだ。

トランス脂肪酸はどんな食品に含まれているのか? 農林水産省のデータから、おもな食品名と100g当たりの含有量を挙げると、

・クロワッサン … 0.29~3.0g

・味付けポップコーン … 13g

・和牛(肩ロース) … 0.52~1.2g

・コーヒークリーム … 0.011~3.4g

・マーガリン … 0.94~13g

・クッキー … 0.21~3.8g

となり、およそ毎日口にしていることがわかる。おやつにクリーム入りコーヒーを飲んで、クッキーを数枚つまむだけでコレステロールが心配になってしまう。ポップコーンも強烈だが、加工されていない牛肉にも含まれているのだから、完全に規制するのは不可能だ。

■原因は食べ過ぎ?

トランス脂肪酸は健康に悪いのか? 国別/年代別に1日あたりのトランス脂肪酸の摂取量をみると、

・アメリカ … 1994~1996年 … 5.8g

・EU … 1995~1996年 … (男性)1.2~6.7g (女性)1.7~4.1g

・日本 … 1998年 … 0.7~1.3g

・日本 … 2011年 … 0.67g

と、食文化によって大きく異なる。アメリカでは2006年から1回の使用で0.5g以上含まれる食品には表示が義務づけられ、デンマークではすべての食品に対し含有量は2%までと規制するなど、国によって温度差が激しい。

1日何gまで摂取して良いのか? WHO(世界保健機関)とFAO(食糧農業機関)の合同専門家会合によると、摂取エネルギーの1%未満が望ましいとされている。日本人が消費する平均エネルギー・約1,900kcalから計算すると2gが上限なので、これを2011年のデータに当てはまるとまったく問題ないレベルだ。

対して海外のデータを、総エネルギーの1%から逆算し、バランスの良い食事をしていると仮定すると、1日5.8gを摂取するアメリカ人は毎日5,500kcalの食事をしていることになる。EUの男性6.7gなら6,400kcal弱で、どちらも体格差を考慮しても「単なる食べ過ぎ」としか言いようがない。

マーガリンが禁止されたぐらいで、圧倒的なカロリーオーバーが解消できるとは想像できない。

これを裏付けるかのように、日本では規制の気配は見られず、また栄養成分表示も義務化されていない。許容範囲の3分の1程度なので、危険視する段階ではないのだ。農林水産省のwebでも、トランス脂肪酸で生活習慣病のリスクは高まるとしているものの、脂質そのものや塩分を控えるべきと記されている。

もとより摂取量が少ないのだから、原因は別と考えるのも当然だ。

まとめると、

・平均的な日本人なら、摂取量は1日2gまで

・マーガリンなら15.4g、コーヒークリームなら58.8g相当

・体格差を考慮しても、海外の5~6千kcal/日は食べ過ぎ

マーガリンを規制する以前に、食生活の見直しが必要では?と言いたい。

■まとめ

マリーアントワネットは「パンがなければお菓子を食べれば」と言ったとされているが、真相は定かでない。

規制が強化されたら、マーガリンがなければバターで良いじゃない?なんて本末転倒な言葉が聞けるのか楽しみだ。

(関口 寿/ガリレオワークス)

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