お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

別れたのは正解? 愛されていると思っていたのに

「そんなことないよ。ちゃんと好きだよ」
輝樹は口をとがらせて言いつのる。
わたしは「ちゃんと好き」って、
どういう意味だろう、とぼんやり考えながら、
これ以上話をしてもムダだと思った。

「ごめん。今日はもう帰る」
わたしはすばやく席を立つと、
コートとバッグを手に持った。
テーブルには口をつけなかった料理があり、
早くも乾き始めている。

「美紅ちゃん……また連絡するよ」
輝樹はテーブルについたまま、
またうつむいてそう言った。

表に出ると、やはり寒い。
わたしは「別れたのは正解」と思いながら、
しんしんと込み上げる寂しさに胸を痛めていた。

あんな人と、5年も付き合い続けていたんだ。
やさしい人だと思っていた。
愛されていると思っていた。
……そうか。わたしの方こそ、
輝樹とちゃんと向き合っていなかったんだ。
だからこんな、
あまりに情けない結末を迎えたんだね。

お役立ち情報[PR]