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結婚しない理由は? 彼女はぼくが好きっていうより

「ずいぶん、はっきり言うね」
今までずっとうつむいていた輝樹は、
ゆっくりと首を上げてこちらを見た。
卑屈な笑いを浮かべていた。
悲しくなると同時にふたりがこの時まで、
相手の顔を見て話してなかったことに気づき、
もの寂しい気持ちになった。

「そりゃ言うよ。そのおかげで、
わたしは会社まで辞めたんだから」
「……そうだったね、ごめん。
たしかに彼女はぼくが好きっていうより、
単に働きたくなかったんだと思う」
輝樹は、再び顔を伏せた。
この人、現実を直視したくないんだなと、
さらに寂しい気持ちになる。

「でも、よかったじゃない。
そんな人と間違って結婚してたら、
たいへんなことになっていたよ」
「そうかな」
「うん。そういう人はきっと結婚したら
いろいろな不満を輝樹のせいにするよ」
あれ、こんな話をどこかで聞いたような……
と一瞬思ったけれど、輝樹が話し始めたので、
その記憶は瞬く間に流れ去った。

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