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雑学 不調

歯科医に聞く。飛行中、山登り、ダイビング中に歯が痛む理由「気圧が低くなり腐敗ガスが充満」

先日、旅行で飛行機に乗ったとき、歯全体が浮くようにひどく痛み、着陸後も何日も歯が痛いままという、大変つらい経験をしました。そう言えば、宇宙飛行士もむし歯を完全に治さなくてはならないと聞いたことがあります。

【歯科医に聞く。キスをするとむし歯がうつるって本当?】

気圧の関係ということですが、何がどうしてそうなるのか、歯学博士で江上歯科(大阪市北区)院長の江上一郎先生に詳しいお話を伺いました。

■気圧が低くなると、歯の詰め物にガスが充満する

――どうして飛行中に急に歯が痛みだしたのでしょうか。

江上先生 その歯は、むし歯の治療をして詰め物やかぶせ物を施していませんでしたか。飛行機の離着陸時は、急に気圧が変化するでしょう。高いところを飛んでいるときは、機内の気圧は低くなります。すると、詰め物やかぶせ物の中の空気が膨張し、むし歯から出た腐敗ガスが充満してしまうことがあるんです。

――神経は抜いてある歯なのですが、あんなに痛むのですね。

江上先生 歯の神経を抜いていても、中にある空気が膨れ、根の先のほうへ圧力が逃げていき、歯を支えている骨や肉に痛みが発生します。飛行機内では、栓をしたペットボトルは破裂の恐れがあると言います。お菓子の袋も空気が膨らんではれるでしょう。

その様子をイメージしてください。

――着陸しても痛みは消えず、旅行中も歯をかみ合わせただけで痛かったのですが……。

江上先生 一度大きな刺激を受けた場合、治療をしないと元には戻らないことがあるんです。古いむし歯に多い例です。症状が軽ければ、地上に降りてしばらくするとけろっと痛みが消えることもあります。

大きな空港には必ず歯科医院がありますが、その症状が起こることがあるからです。パイロットや客室乗務員などにも多いですね。

鎮痛剤を飲んでも効果がない、痛みが持続する場合は、早めに歯科を受診してください。

――気圧の変化が原因であれば、飛行中以外でも起こる可能性がありますね。

江上先生 はい、高い山への登山や、ダイビングでも起こります。高山病、潜水病という症状もよく耳にするでしょう。ともに、気圧の変化が原因です。

――予防する方法はありますか。

江上先生 予期なく起こる痛みなのでなかなか予防が難しいのですが、睡眠不足や疲れがたまっているとき、風邪をひいているときなどには、歯の痛みは起こりやすくなります。

飛行機に乗る前、特に海外へ出向く長時間飛行の前は睡眠時間をとって、体調を整えておくことが重要です。

また、むし歯治療の途中の人は歯科医に、飛行機に乗ることを伝えるようにする、日常で「このごろなんとなく歯が浮くな」と感じるときは、早めに治療をしておきましょう。鎮痛剤や処方薬も持参してください。

――原因と対策がよくわかりました。ありがとうございました。

筆者はこの後、江上先生に治療をしていただきました。20年以上前に治療した左奥歯の古い4本ブリッジが原因でした。江上先生のご指摘通り、「このごろ、左奥歯が浮くなあ」と時折感じていたのに放っておいたからでしょう。

それに、搭乗の前日は3時間ほどしか寝られず、疲れた足取りで早朝の空港へ向かったのでした。

飛行機に乗る、登山をする、ダイビングに出掛ける人は、ぜひ、早めにむし歯の治療をしておくことをお勧めします。

(阪河朝美/ユンブル)

監修:江上一郎氏。歯学博士。専門は口腔(こうくう)衛生。歯科・歯科口腔外科・口臭治療の江上歯科院長。江上歯科 大阪市北区中津3-6-6 阪急中津駅から徒歩1分、御堂筋線中津駅から徒歩4分
http://www.egami.ne.jp/

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