お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

彼に振られる原因となった、あの彼女とバッタリ会って

どうしてここに菅野美佐子が?
偶然? それとも、まさか達彦と一緒?

店に入るのをためらっていると、
マスターが「いらっしゃい。弥生ちゃん、久しぶりだね」
と明るく声をかけてくれた。
「美佐子ちゃん、隣いい?」
カウンターの一番奥に座っていた菅野美佐子は、
少し驚いた顔をしながら軽くうなずき、
「こんなところで偶然ね」と言って、私にほほ笑みかけた。
ということは、彼女の隣に座る予定の人はいないってことだ。
達彦と一緒じゃなかったことにホッとして、
勧められるままに座り、おしぼりを受け取った。
「弥生ちゃん、待ち合わせ?」
「ううん、今日は1人」
あ、そっか。マスターは私たちが別れたことを知らないんだ。
達彦はやっぱり、あれからこの店には来ていないんだね。
きっと、そうだと思ってた。
じゃあ、私はどうして、この店に来る気になったんだろう?
達彦が残した痛みを忘れるどころか、もっと深めるはずの
この想い出の店に――。

お通しを出しながら、マスターが何気なく尋ねてきた。
「達彦くん、最近、顔見てないけど、なんかあったの?」
その瞬間、菅野美佐子の目が大きく見開かれた。
『達彦』という名前に反応したらしい。
あ、そうだ! 今って、すごいチャンスなんじゃない?
達彦との関係について、今度こそ聞けるかもしれない。

お役立ち情報[PR]