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高齢出産になってからじゃ遅い! 後悔しないためには?

◆いま、私にできることってありますか?

―まずは、同大学病院に来院される、妊娠を希望して来院される方について教えてください。

「体外受精以上の高度な生殖医療を希望される方の52.4%(2010年度)が40歳以上になっています。全国的に見ても、治療を受けている患者さんの1/3が40歳以上です。さらに、都市部にある病院では概ね年齢が高くなる傾向があります。長く治療を続けてこられてこちらへ辿り着いた方、他院から転院された方、そろそろ最後のタイミングだろうから治療に踏み切られる方、理由はさまざまです」

―年齢が高くなると妊娠しづらくなるといいますよね……。

「そうですね。最近は、年齢が高くなると妊娠しづらくなることがメディアで取り上げられるようになったので、だいぶ浸透してきました。とはいえ、いま30~40代の方が20代のころには、そうした情報はあまりありませんでしたので、高齢出産の年齢になって『はじめて高齢が妊娠に影響をするのを知った』と言われる方も、まだまだ多いですよ」

―その年齢に差しかかって、はじめて自分が妊娠しづらくなっているのを知るのですか。

「なかにはそういう方もいらっしゃいます。いまでは、自分で調べれば、どんな情報でも集められるわけですから、この連載をきっかけにして、みなさん将来の自分がどうなりたいのか、積極的に考え、調べ、決めるようにしていただければと思います」

―いますぐに妊娠予定がない女子でも、漠然と将来の妊娠に不安を感じている人は多いようです。どうしたらいいでしょうか。

「妊娠に至る過程では、カラダの異常のあるなしや、妊娠したい時期、パートナー、人生設計などもろもろの状況が関係します。ゴールにたどりつく方法は、決してひとつではないことはわかってください。自分自身、そのゴールが何かすらわからないままでは、漫然と時間が過ぎていくばかりでしょう。必要なことは『自分にとってのゴールは何か』です。それは、カラダの異常がないか検査を受けてみたり、自分のカラダやライフプランを考えたり、パートナーを見つけるために動いてみたり、やれることをいまきちんとすることです」

あとで後悔のないように、転ばぬ先の杖としてカラダや妊娠に関心を持つのはいいことですよね。そのあたりを次回もう少し詳しくお聞きします。

産婦人科医 片桐由起子(かたぎりゆきこ)先生

1992(平成 4 )年 3月 東邦大学医学部医学科卒業
1992(平成 4 )年 4月 東邦大学大学院医学研究科入学
1996(平成 8 )年 3月 東邦大学大学院医学研究科修了
1996(平成 8 )年 4月 東京都立荏原病院(現:財団法人東京都保健医療公社荏原病院)勤務
1998(平成10)年 7月 東邦大学医学部産科婦人科学講座研究生
1999(平成11)年 3月  東邦大学医学部産科婦人科学講座助手
2001(平成13)年 7月  Center for Reproductive Medicine and Infertility
Weil Medical College, Cornell University 留学
2005(平成17)年 4月  東邦大学医学部産科婦人科学講座助手復職
2007(平成19)年 7月  東邦大学医学部医学科産科婦人科学講座講師
2010(平成22)年 7月 東邦大学医学部医学科産科婦人科学講座准教授
2010(平成22)年12月 東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンター副センター長
2010(平成22)年12月 東邦大学医療センター大森病院臨床遺伝診療室室長 兼任
現在に至る

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本人類遺伝学会、日本遺伝カウンセリング学会 臨床遺伝専門医
日本周産期新生児医学会周産期(母体胎児)専門医
日本内分泌学会 専門医

(取材協力:片桐由起子、文:小池直穂、イラスト:macco)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.28)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2013年08月27日に公開されたものです

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