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愛しさの理由って? 仕事に自信を持っている男性は……

弾はいきなり「ヒカリエに行きたいな」と言った。
反射的に、嫌だ、と思った。だって、達彦と別れた場所だから。
でも、そんなことを言うのも気がひけて、
しかたなくヒカリエに向かった。
「嬉しいな。初ヒカリエだ」
「そうなの?」
「前に東京に来たときは、なかったからなー」
「でも、他の駅ビルと変わらないでしょ」
「ん。あんま変わんない。それが確認できただけでもよかった」
あ、こんな風にわけのわからない理屈っぽいことを言うところ、
昔と変わっていない。前は単にヘンな人と思っていたけれど、
今はそれが懐かしくてホッとする。

私たちはスペイン料理の店に入り、スペインビールで乾杯した。
「うまい!」と弾は顔をくしゃくしゃにしたあと、
まじめな顔になって言った。
「記者の仕事はさ、真実を探す仕事でもあるんだよ。
そのためには、これは違うっていうことを一つひとつ
つぶしていく必要がある。だから、違うものにあたることも、
ムダなんかじゃなく、大事なことなんだ」
弾がコツコツと地道に仕事している姿が想像できて、
尊敬のような、愛しさのような気持ちがわいてきた。
「がんばってるんだね」
「当たり前だろ。仕事をがんばるのは」
余裕のある弾の口調に、ほんの少しだけときめいた。

ふと、三上さんにときめいてしまったことを思い出した。
自分の仕事に自信を持っている人は、やっぱり素敵に見える。

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