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雑学 生活

幼児教育は効果あり「脳の成長は12歳でピークを迎える」

お受験に代表される幼児教育。英才教育と称したピアノや英会話のレッスンに追われ、サラリーマン並のスケジュールをこなすちびっ子も今では少なくない。

物心つかないうちから習い事を始めても、効果があるのだろうか? 脳の成長は12歳ほどでピークを迎え、その後は老化の一途をたどる。

30歳を過ぎると急激に神経細胞が減ってしまうから、脳を考えれば幼いうちにスタートした方が得なようだ。

■人生の頂点は3歳?

アメリカの医学者であり人類学者でもあるリチャード・E・スキャモン博士が発表した「スキャモンの発育/成長曲線」では、人間のからだを4つの型に分類し、20歳の状態を100として年齢ごとに何%かが曲線で示されている。グラフをお見せできないので、それぞれの型に含まれる部分と曲線の特徴をあげると、

・一般型 … 内蔵、骨、血液 … 0~3歳、12~16歳ごろの2区間で急上昇

・神経系型 … 脳、せき髄、頭の大きさ … 3歳ごろまでにほぼ完成

・生殖器型 … こう丸、子宮、卵巣 … 12~13歳までは10未満

・リンパ系型 … 胸腺、リンパ節 … 10歳ごろに200%ほどに達し、その後は低下

となる。一般型と生殖器型が12~13歳から急激に成長するのは、誰もが経験した成長期や思春期だ。対して神経系型の成長は自覚しにくいとはいえ、生まれてから3年ほどで「ほとんど完成状態」とは驚きだ。

さらに神経系型の成長を詳しくみると、3歳で80%、6歳では90%、12歳になるとほぼ100%となる。これは脳に限らず神経全体に当てはまるので、運動神経と言われるように身体能力も左右する。

学問や芸術だけでなくスポーツにとっても良い時期なので、「よく学びよく遊べ」が理想の英才教育と言えるだろう。

18~30歳くらいの脳がもっとも重く、男性なら1.3kg、女性は1.2kg前後が標準的だ。ピークを過ぎるとどんどん軽くなり、90歳ほどになるとそれぞれ1kg/900gにまで減少する。

最盛期と比べると4分の1も減ってしまうのだから、年を重ねてから勉強しても効率は上がらない。高齢になってから難しい資格を取得する人も大勢いるが、脳の老化を考えれば、人並みならぬ努力の結果であることが分かる。

脳はなぜ減ってしまうのだろうか? これは人間の宿命とも呼べる現象で、神経細胞は幼少期にしか増えず、傷ついても再生されないからだ。

脳の神経細胞は0歳児がもっとも多く、2歳ごろには3割程度に減ってしまうというデータがある。それでも細胞が世代交代しないのは、記憶が失われるのを防ぐためだ。

細胞が減るのに成長するのはナゼ?と思うのが当然で、これは脳細胞同士がつながり合い、神経回路網と呼ばれるネットワークを形成するのが理由だ。

神経回路網にはさまざまな情報が流れ、経験や想像などが生みだされる。例えばコップを落としたときはどうすれば良いかなど、いわゆる学習と呼ばれる行動は、ネットワークによって記録されるのだ。

ネットワークが広がるほどにさまざまなことを学習し対処できるようになっていく。細胞が減っているのに成長しているのは、神経回路網が成長しているからだ。

■成績か人格か、それが問題だ

脳の成長を考えれば幼児教育は極めて合理的に思えるのだが、反対意見も多いのはなぜか?

これは人格形成の一言につきるだろう。ちびっ子が自分の将来を理論的に判断できるはずもなく、親が決定権を持っていることが要因だ。

言い換えれば、幼児にとっては親の意見を押し付けられているにすぎないのだ。たとえ子供が習いごとを望んだとしても大半は興味やあこがれに過ぎず、まして学問はなおさらで、○○大学を卒業して将来はエリート官僚になりたい!なんてちびっ子はかえって心配だ。

加えて、子供は親の期待に応えることに喜びを覚えるので、別にやりたいことがあっても、自分からは言い出せないのだ。

最悪なのは、親がやっきになるパターンだ。友達と比較したり、嫌がるのに無理強いするほどに、子供は目標を見失う。あたかも自分の努力と勘違いし始める親が原因で、この状態では自慢のハンドバッグと同様に、子供はアクセサリーにすぎない。

「子供の将来を思って」が定番だが、子供の人格形成にとって大事な時期だけに、本当は自分のためではないか?と自問するのが良いだろう。

■まとめ

「六十の手習い」なんてことわざもあるが、生理学的に脳を考えれば幼児教育はYesだ。

ただし同じことわざでも、「三つ子の魂百まで」は3歳児の人格は年をとっても変わらないことを意味する通り、人格や人間性が形成される大事な時期であることをお忘れなく。

(関口 寿/ガリレオワークス)

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