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素敵! 私って、頼りがいのある人に惹かれるんだ……

始業2時間前のオフィスは、窓から差し込む光が違う。
明るさの中に、すがすがしい透明感がある。
その光を横顔に受けて、1人、三上さんは机の前に座っていた。
「おはようございます」
「おはよう」
ほんの少しほほ笑まれただけでドキリとした。その笑顔は、
朝の光と同じように爽やかで、やさしい感じがしたから。

席に着くなり「約束ですよ、三上さん。
手帳の秘密を教えてください」とお願いすると、
「あー、そうだったな」と三上さんは机の上に広げていた
分厚いシステム手帳を、私のほうへ差し出した。
そこには、営業予定の企業名、各企業に勧める製品候補、
今日の為替レートと仕入れ価格、新製品情報や世界状況の
キーワードなどが、びっしり書き込まれていた。
「どうして手書きしてるんですか? タブレットもあるのに」
「手書きすると、記憶に残るんだ。
で、世間話の合間に、さらっと新情報を提供すると、
『お!』と思われて、頼りにされるようになる。
タブレットでの検索より早いし、ポイントが頭に入ってるから、
短い時間で話が進んで、より多く取引先を回れるし。
それにさ、なんでもかんでもタブレットで検索してたら、
機械と取引してるのと同じで、営業マンなんていらないだろ」

三上さんの口調は穏やかながら自信に満ちていて頼もしい。
素敵……私って、頼りがいのある人に惹かれるんだよね。
達彦もそうだった。男らしくて、前向きで――。
三上さんと達彦を重ねてしまったことに、少し驚いた。

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