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【新連載】妊娠……? それはあまりにも突然の出来事で

わたしがボソリというと恵は目をまん丸くした。
「大丈夫だよ。涼子ってば考えすぎ。
創さん、きっと喜んでくれると思うよ」

「でも、まだ自分が子どもだから、
子どもが出来たら子どもがかわいそう、
とか言ってるんだよ」
「男の人なんて最初は、
みんなそんなようなこと言ってるよ」
「だといいけど。
でももしシングルマザーになっても、
わたし、産みたいんだ」
「うん。涼子は仕事続けられるから、
万一そうなっても、心配ないね。
その時は応援するから近くに越しておいでよ」
「うそ……ありがとう」
恵の申し出に今度はわたしが彼女に抱きついた。

そして帰宅後、創ちゃんの帰りを待ち、
わたしはパソコンに向かう彼の横に正座した。
「ちょっと、話があるんだけど」
「え、何?」
「わたし、赤ちゃんができたの。妊娠2カ月」

創ちゃんは目をまん丸くして固まり、
ずっと何も言い出さなかった。

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